海外ケータイを、非居住者なのに「契約」する方法(3/3 ページ)

» 2006年03月24日 02時06分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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現地回線利用のメリットとデメリット

 メリットはやはり、料金の安さだ。ドイツ国内の利用に関しては、Vodafone 3GやFOMAの国際ローミングと比較しても半額から9分の1程度。ドイツの国内回線やT-Mobileあてにかける場合も14円/分と安い。パケット通信も安く、割引オプションをつければさらに割安になる。

契約回線 T-Mobile FOMA Vodafone 3G
現地利用回線 T-Mobile E-Plus Vodafone D2
ローミング なし あり あり
ドイツ国内通話 約9円〜57円 80円 75円
日本へ発信 約234円 180円 175円
着信 無料 110円 110円
パケット通信 7.94ユーロ/Mバイト 100円/100パケット 100円/10Kバイト
パケット単価 約0.1円/Kバイト 8円/Kバイト 10円/Kバイト
備考 課金単位は10Kバイト。別途アクセス料0.08ユーロ/日 100パケット以上は10パケットごと課金 超過分は5円/Kバイト

 一方、デメリットもある。最大の問題は普段利用している携帯メールが利用できないことだろう。普段日本で使っている携帯電話ではなく、海外用の別の電話を使っているからだが、せっかく現地の割安な料金で利用できるだけに残念ではある。iモードなど日本向けコンテンツも利用できない。

 また普段利用している携帯以外に、GSM/W-CDMA携帯電話を購入する必要があることも忘れてはならない。日本語に対応したGSM/W-CDMA携帯も少なく、ノキアジャパンが以前発売していたNokia「7600」日本語版などでないとなかなか対応端末がない。なお、メールを利用するならノートPCやPDAから携帯電話経由でパケット通信を行い、プロバイダメールなどを利用するのが現実的な使い方となるだろう。

 とはいえ、また海外に中長期滞在する場合などで、支払いの関係などで現地で直接契約するのが大変な場合、日本で契約できるのは便利。現地では困難な契約を、日本国内で行えるメリットも大きい。今回はドイツの携帯回線契約を試してみたが、ほかの国の回線契約サービスを行っている企業もいくつかあるようだ。出張や旅行、留学などで頻繁に海外に行く人は、自分の渡航先の携帯回線の契約サービスを日本で行っている企業があるかどうか、一度検索してみるといいだろう。

日本語対応の海外携帯電話があると便利だが

 日本では、各キャリアの「海外に持ち出せる普段使いの携帯」にはSIMロックがかかっている。つまり別の通信事業者のSIMカードを入れて使うことはできない。今回のようにT-Mobileの回線契約を行っても、FOMAやVodafone 3G端末に挿入して使うことができないのだ。

シェアウェアなどで日本語利用が可能な海外のスマートフォンの例。(左)Treo600(右)Nokia9500

 そのため別途海外端末の購入が必要となるが、本文でも書いたとおり日本語対応の問題がある。ノキアジャパンの「7600」にしても、現在は発売が終了している。海外のスマートフォンの中にはシェアウェアなどで日本語化できるものも存在するが、一般ユーザーが手を出すには敷居がやや高い。

 海外の携帯回線を活用するためにも、ぜひNokia 7600に続く「日本語対応、かつ海外で利用できるGSM/W-CDMA携帯電話」が日本で発売になってほしいものだ。

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