メディアプレイヤーによる再生は、全曲、またはプレイリスト単位での連続再生に対応し、リピート再生なども行える。プレイリストは804SS側での登録作業が必要となり、フォルダ単位での一括登録はできない。一覧から複数の曲をマークして登録することはできるが、少々面倒な作業になる。
もちろん音楽再生は、プレイリストを作成しなくても「全てのミュージック」を選択して行えるが、並び順はファイル名順となる。先頭にトラック番号が付くような、よくあるファイル名で複数のアルバムの音楽ファイルをコピーすると、アルバムAの1番目、アルバムBの1番目、アルバムAの2番目、といった順で再生される。そのためアルバム内の本来の曲順で再生するには、プレイリストを作成することになる。
メディアプレイヤーで音楽再生を中断した際、メディアプレイヤーボタンを長押しすると、中断した曲の先頭から再生を再開できる。ただし、前回選択していたプレイリストが無視される点には注意したい。これは中断時に「どの曲か」という情報しか持っておらず、「どのプレイリストか」という情報が保持されていないからだ。
また背面のプレイボタンの長押しで音楽再生を開始した場合、常にプレイリストは無視され、先頭の曲から再生される。このあたりは、ソフトウェアレベルでの詰めが甘い印象を受ける。
ミニプレイヤーによる再生は、マルチタスクが利用できず、再生は常に先頭の曲からになる。あくまで簡易再生機能と思ったほうが良さそうだ。メディアプレイヤーの起動もさほど手間がかからないので、存在意義が分かりにくい。
なお音質は可もなく不可もなくといったところ。本体スピーカーか付属のステレオイヤフォンでしか再生できないため、他の端末との比較が難しいが、個人的は“悪くはない”といったところだ。
問題なのは、付属品のステレオイヤフォン/ヘッドフォンしか使えないことだろう。インナーイヤータイプのイヤホンは、人によっては耳に合わない場合もある。筆者の場合付属品は、どう装着しても少し歩くと外れかかってしまい、不自由した。ライトな音楽プレーヤーとしては十分使えるだけに、市販のステレオイヤフォン/ヘッドフォンを利用可能にするアダプタを用意してほしいところだ。
動画再生は3gpp/MP4フォーマットに対応しており、エンコードは付属ソフトの「PC Stduio」内にある「ムービーの編集」でも行える。320×240ピクセル(QVGA)動画の再生も可能だが、紙芝居状態になったり、あるいはほとんど画面が更新されない状態になる。スムーズに再生できるのは176×144ピクセル(QCIF)程度が限界のようだ。ドラマなどでも雰囲気は十分伝わるが、字幕を表示するには無理がある。
音楽機能については少々不満が多くなってしまったが、このサイズで実用的な音楽再生機能を備えている点だけでも十分評価できる。ただ市販のステレオイヤフォン/ヘッドフォンを利用できないのは残念で、ボーダフォンの配慮に期待したいところだ。
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