作品名 | ロシアン・ドールズ(LES POUPEES RUSSES) |
監督 | セドリック・クラピッシュ |
制作年・製作国 | 2004年フランス作品 |
今回ご紹介するのは、『ダ・ヴィンチ・コード』の暗号解読官マルティーヌ役で脚光を浴びたオドレイ・トトゥが、恋多き女性として登場する『ロシアン・ドールズ』。主人公のグザヴィエは、iBookとNokiaの携帯電話を持ち、恋を追いかけてヨーロッパ中を駆け巡るモバイラーです。
前作『スパニッシュ・アパートメント』から5年。スペインのバルセロナで6カ国の男女が楽しく学生生活を送った日々は、もう遠い彼方に……。バルセロナ留学からフランスに帰国したグザヴィエ(ロマン・デュリス)はエリートコースを外れて、昔からの夢だった小説家を目指していました。自分が書きたい内容の小説は出せず、出版社の要望に合わせたロマンス小説やゴーストライターとして収入を得ていることに、少し引け目を感じながら。
バルセロナ留学時代に遠距離恋愛をしていたマルティーヌ(オドレイ・トトゥ)とは別れ、今は短期間の恋を楽しんでいるグザヴィエ。居候をしているイザベル(セシル・ド・フランス)の家にも、気軽に女性を呼んでしまいます。マルティーヌの誕生日プレゼントを選びにでかけたブティックで、グザヴィエは店員のカッシアに一目惚れ。元彼女のドレスを見立ててもらいながら、口説き出すのです。
「僕の携帯電話を教えておくよ」
「何のため?」
「彼女がドレスの交換に来たら、僕に教えてほしいんだ」
強引なグザヴィエに店員は困り顔。
「電話番号を受け取って」
「約束はしないわ」
「かけてくれ」
と、無理矢理メモを渡すのです。グザヴィエはブティックの前で待ち伏せしたり、積極的にアプローチ。押しに負けたカッシアはグザヴィエの部屋に招かれますが、そこには元カノのマルティーヌが先客として来ていました。慌てながら、どちらにもいい顔をしようと取りつくろうグザヴィエ。2人の女性に一度にふられてグザヴィエはさすがに落ち込みます。等身大の小説を書きたいと思っているグザヴィエですが、ふとこう思うのです。
「ラブストーリーは書けない。愛を知らない身勝手な男だから……」
そんな時、グザヴィエにテレビドラマの脚本の仕事が舞い込みます。これまでの自分自身を振り返りながら、ラブストーリーを綴ろうとするグザヴィエ。執筆がなかなかはかどらない中、バルセロナで共同生活したウィリアムが、ロシアのバレリーナと結婚することになり、結婚式に出席することに。ロシアへの鉄道の中で、グザヴィエはバッテリーが切れかけ、電源を探しながら脚本を打ち続けます。個室トイレの中でコンセントを発見し、キーボードをたたくグザヴィエ。
やがて、ロシアに着いて、ウィリアムの姉ウェンディ(ケリー・ライリー)と再会を果たします。ウェンディも一緒に暮らしていたルームメイトでしたが、バルセロナの頃より魅力的な女性に変わっていました。今では放送作家として活躍するウェンディに、仕事を手伝ってほしいとグザヴィエは頼みます。自分の仕事のパートナーとして、そして人生のパートナーとして運命を感じた2人。しかし、ウェンディにはくされ縁の彼がいて、グザヴィエもマルティーヌとつかず離れずの関係が続きます。さらにロシア人モデルとの衝動的な恋に落ちて……。パリ、ロンドン、ロシアと恋を追いかけて、駆け巡るグザヴィエ。ロシアン・ドールズ(マトリョーシカ)の最後の1つ(最後の恋)は、見つけられるのでしょうか?
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