外の切り替えが「カスタムバングル」ならば、中の切り替えは「Wシーン機能」といえる。[*]キーを長押しするだけで、待受画面、配色、着信音の設定、表示するアドレス帳、スケジュールのデータを一括して変えられるというものだ。
Wシーン機能では、待受画面、配色、着信音の3つを「シーン」、アドレス帳とスケジュールを「キーワード」としてまとめて管理しており、シーンもキーワードも2組ずつ保存できる。アドレス帳やスケジュールなどで、片方だけを表示している場合も、[切替]キーを押せば全部を表示する。
「調査したところ、個人の携帯を会社でも使っているというユーザーが、会社員の約4割いたのです。そこで“会社で使うときとプライベートのときとで、利用シーンを切り替えられたらきっと便利だろう”というアイデアが生まれました。アドレス帳に何百件と入っている人の場合、切り替えられたほうがアドレス帳の検索性も上がりますし」(酒井氏)
冒頭にも書いたとおり、W42HはW32Hの後継機という位置付けになっている。相澤氏と岩間氏はW32Hも担当していたコンビだったこともあり、「W32Hから使い勝手を落とさず、かつ大きくしない」よう苦心したという。
W32Hと比べると、赤外線通信機能が追加され、AF付き200万画素のカメラモジュールになるなど、機能アップしているが、W32HとW42Hは長さを除けばほぼ同サイズだ(W42Hは50×100×25ミリ、W32Hは50×98×25ミリ)。「W32Hとほぼ同じサイズを守りたい、という気持ちは強かったのですが、入れるものは増えています。特に今回は2GHzと800MHzのデュアルバンドに対応するため、アンテナのスペースを広く確保しなくてはならず、大変でした」(相澤氏)
W42Hのアンテナは、本体を折りたたんだ下半分のうち、キー部分を挟むように上下に1つずつ入っている。W32Hでは上半分と下半分の長さを同じにしてヒンジでつないでいたのを、W42Hではアンテナを入れるスペースを確保するために、ヒンジを液晶側に付け、下半分の長さをかせいだという。
スペースをかせぐために打ったもう1つの手が、microSDカード(5月22日の記事参照)の採用だ。従来のminiSDカードに比べると、スロットのサイズもかなり小さくなる。
記者は普段W32Hを使用しているが、これまで使ってきた歴代の携帯の中でも、ダイヤルキーの押しやすさは屈指だと感じている。W42Hでも、その押しやすさはきちんと継承されている。
W42HもW32Hと同様にフレームレスのタイルキーを採用するが、キー形状は少し変わった。W32Hでは平らなキーの下にラインを引き、ライン部分が斜めにせり上がるような階段型のキーだったが、W42Hでは表面を丸くふくらませ、うまく指の腹に当たるようにしているのだ。また、透明なプラスチックの裏に印刷されたキーの文字は、文字が大きいうえに、バックライトが光るため実に視認性が良い。「W32Hのキーを、押しやすいと評価する声は多かったので、使い勝手をW32Hより落とさないということは強く意識していました。実はW32Hのキーは縦方向が8.5ミリあったのに対し、W42Hは8ミリしかありません。縦方向が短くなっているのですが、それを感じさせないように工夫しています」(吉田氏)
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