どこまでデジカメに近づけるか──シャープの「910SH」が目指したもの開発者に聞く「910SH」(2/3 ページ)

» 2006年10月27日 09時31分 公開
[園部修,ITmedia]

高機能カメラに欠かせないファインダーを強化

 「これだけ強力なカメラを搭載したのに、ファインダーの性能が低くてはお話にならない」(石井氏)という理由から、ファインダー画面にも改良が加えられた。

 VGA表示に対応した2.4インチのモバイルASV液晶自体は、904SHと同じものを使っている。バックライトが変わっており、若干色味が異なるそうだが、ぱっと見では違いはほとんど分からない。しかしカメラを起動すると、その滑らかな追従性に驚かされる。ファインダーとして利用する場合、センサーに入った映像がVGA(640×480ピクセル)の30fpsで表示されるのだ。さらに動画もVGAの30fpsで撮影可能になっている。

 「904SHのファインダーでは、QVGA(320×240ピクセル)の映像をVGAに拡大して表示していました。またフレームレートも15fpsだったので、表示が粗く、カクカクしていて追従性も今一歩な部分がありました。ですが910SHでは、コンパクトデジカメでもなかなか採用していない、VGAの30fps表示を実現しています。動きの速いものでもしっかり追いかけてフレーミングできます」(石井氏)

 もちろん撮影時のメニューには、コンパクトデジカメに負けない細かな設定を用意した。設定画面はファインダー上にアイコン付きで表示され、十字キーで項目を選んで設定を変えられるほか、トップメニューにある項目はダイヤルキーで直接開くこともできる。撮影サイズや画質の設定はもちろん、6種のシーンプログラムや自動を含む5種のホワイトバランスなども備え、さまざまな撮影シーンに柔軟に対応できる。

PhotoPhoto ファインダーのフレームレートが30fpsに引き上げられ、追従性が高くなった。また904SHではQVGAの映像を拡大表示していたが、910SHではVGA表示に改善した。メニューはカメラの映像を表示しながらオーバーレイ表示する(画面は試作機のもの)

高感度撮影や高輝度LED、マルチポイントAFなどの新機能も

 最近のコンパクトデジカメでは常識になりつつある高感度撮影ももちろん可能だ。自動設定のほか、ISO感度を手動で最大800まで上げることができ、画質は落ちるものの暗いシーンでも速いシャッターが切れる。手ブレ補正機能と、新たに用意された手ブレ警告機能を組み合わせれば、従来よりもブレていない写真が撮りやすくなりそうだ。

 撮影補助用LED「モバイルライト」も904SHから進化している。モバイルライトは、暗いシーンで光量を補うために光るものだが、従来のモバイルライトの光量は十分といえるものではなかった。

 「携帯をカメラとして使おうと思ったときに、足りないものの1つがモバイルライトでした。暗所でも安心して撮影できるように、従来より10倍も明るくしています」石井氏と話すように、新たに搭載されたモバイルライトはストロボのように明るい。「LEDの明るさについては、レーザー製品と同じ安全規格が適用されるため、単純に明るくすることはできないので苦労しました。ただ、これでやっとカメラに近い光量が得られるようになったと思います」(石井氏)

 このモバイルライトは、AF補助光としても動作するほか、露出を決めるため本発光の前にプリ発光するなど、非常に高機能だ。一般的な撮影補助用LEDのようにずっと点灯するのではなく、撮影時のみ発光する。

 撮影時に、ファインダーに画面を9分割する縦横2本ずつのグリッドを表示する機能も用意した。この線をガイドにすれば、水平や垂直が合わせやすくなるほか、線の交点に被写体を合わせることでバランスのとれた構図を決めやすくなる。

 また、今までの携帯カメラにあまりなかった機能として、マルチポイントAFを搭載した点も目を見張る。通常のAFではファインダー上の1点(多くは中央)にピントを合わせるわけだが、910SHのマルチポイントAFでは、横に並んだ3点のAFポイントでピントを合わせる。3点のフォーカスポイントから得られるコントラストや距離情報により、従来のセンターAFと比較してより確かなピント合わせが可能となっている。被写体が画面の中央にない構図で撮影したい場合などに重宝する機能だ。

Photo マルチポイントAFは、横に3つ並んだフォーカスエリアを利用し、もっとも近くにある被写体にピントを合わせる。縦位置でもフォーカスエリアは横に3つ並ぶ
PhotoPhotoPhoto ISO感度は自動設定のほか、100/200/400/800から選択できる。モバイルライトも非常に高輝度になったのに合わせて「接写」モードなどが用意された。ファインダー上には画面を9分割するグリッドを表示することも可能

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