どこまでデジカメに近づけるか──シャープの「910SH」が目指したもの:開発者に聞く「910SH」(3/3 ページ)

» 2006年10月27日 09時31分 公開
[園部修,ITmedia]
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デザインでもカメラらしさを追求

 ボディのデザインも、「カメラを意識したものになっています」と石井氏は話す。全体がスクエアなデザインなので、裏面から見た910SHは、「SoftBank」のロゴがなければ本当にデジタルカメラと見まがうほどだ。

 レンズの周囲はアルミの削り出しで、その周りには不連続蒸着を施した樹脂製のカバーを配している。端末を机などに置いたときにレンズ部が直接触れないよう、小さな突起も用意した。「904SHでは、レンズ周りが平らだったので、カメラユニットに傷が付きそうだというご意見をいただきました。そのため端末を置いたときにレンズ部が必ず少し浮くようにしてあります」(石井氏)

 一方バッテリーカバー部などは、本体の厚みをおさえるため可能な限り薄くしてあり、レンズ部が強調されるデザインとなっている。

 またシャッターボタンは、「910SHのカメラ機能を強調するため」(石井氏)、従来のサイドキーとは明らかに異なる、大きな円形のものを採用した。「回転するわけではないのですが、シャッターボタンが目立つように上部にはスピン加工を、また側面にはあえてローレット加工を施しました。おかげで一目見れば側面にシャッターがあることが分かり、撮影時にも押しやすくなっています」(石井氏)

 ズームボタンも、よりカメラっぽく使えるよう、シャッターボタンのすぐ横に配置した。「ズームボタンにはボリューム調整機能も割り当ててあるため、904SHなどでは通話中の操作性を考慮してヒンジ寄りにあったのですが、今回はあえてカメラ機能を優先させてこの位置にしました。右手だけでズームとシャッターの操作ができます」(石井氏)

 さらに細かいこだわりとして、ストラップホールが2カ所に用意されていることにも触れておきたい。一般的に、折りたたみ型の端末が多い携帯電話のストラップホールはヒンジ寄りにある。首から提げるにしろ、短いストラップを付けるにしろ、底面側にストラップを付けると端末が開いてしまったりする可能性があるからだ。しかしデジタルカメラのストラップは、シャッターを押す右手に通すことが多いため、ストラップホールはたいていシャッターボタン側にある。

 「カメラとしての使い勝手を考えると、ストラップホールがヒンジ側にしかないのはまずいと考えました。しかし、シャッターボタン側にしかないのも、携帯電話として考えるとそれはそれでよろしくない。苦肉の策として、2カ所にストラップホールを用意しました。」(石井氏)

Photo シャッターボタンは円形の大きなものを搭載した。ズームボタンもシャッターの横に配置し、右手で操作しやすくしている

 ボディカラーも、カメラらしく落ち着いた色合いの5色展開とした。チタン、ブラック、レッド、ホワイト、ブルーの5色すべてが標準色で、今のところ限定色はない。

 ここまで徹底してカメラらしさを追求した910SHについて石井氏は、「カメラケータイとしての完成度は高いと思います」と話した。

 なお、今後さらに携帯カメラの高画素化が進むかどうかは分からないという。「さすがに沈胴式のズームレンズを組み込んでまで高倍率・高画素のカメラを内蔵したいとまでは思いません。携帯カメラの解像度は2メガから3メガピクセルくらいでも十分という声もなくはない。今は他の国内メーカーが追随してくるかどうか、興味深く見守っています」(山本氏)

ソフトバンクのサービスをすべて利用できるフラッグシップモデル

 どうしてもカメラに注目が集まる910SHだが、Bluetoothや高速赤外線送信に対応した赤外線通信ポート、PCサイトブラウザ、ドキュメントビューアなど、ハイエンド機にふさわしい機能も一通り搭載している。残念ながら国際ローミングには非対応で、6軸センサーやGPSは非搭載となったが、それらを補って余りある高機能といえるだろう。

 またソフトバンクの各種最新サービスに対応しているのも大きな魅力だ。ほかの端末では利用できないサービスもいくつかあるが、910SHはもっとも多くの機能とサービスをサポートしており、まさにソフトバンクのフラッグシップモデルとなる。

 川口氏は「音楽機能も強化しています。ヤマハの高音質化技術を採用して、910SHに最適なチューニングを施しました。またステレオスピーカーは904SHより薄いのに同等の音質を実現しています」と話し、他キャリアからリリースされている音楽携帯に負けない機能を備えていることも強調した。

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