ソフトバンク「ゴールドプラン」、通話0円のお得な使い方とは?

» 2006年11月22日 10時18分 公開
[石野純也(EYE's factory),ITmedia]

 ソフトバンク同士の通話定額を実現した「ゴールドプラン」。当初は、ソフトバンク以外への通話が、時間帯、曜日、かける電話の種類によって異なっていたため、非常に複雑だった。ところが、10月30日の会見で、11月10日から他社への通話料が一律30秒21円になると孫正義社長自らが発表した(10月30日の記事参照)。以前に比べ、シンプルな料金体系になったと言えるだろう。

 会見の席上、孫社長は「他社の料金水準に合わせて他社への通話料を値下げする」と述べていた。確かに30秒21円という金額は、NTTドコモの「タイプSS」、auの「プランSS」に相当する。しかし、これらのプランはドコモやauでは比較的通話料が高い方のプランである上に、それぞれ無料通話を1050円分含んでいるのだ。また、ソフトバンクのゴールドプラン同様、PHS間の通話料が定額になる「ウィルコム定額プラン」では、他社の携帯電話への通話料を30秒13.125円にしている。

 それでは、一体各社のどのプランで通話するのが安いのか? それを明らかにするために、1つのケースを想定したシミュレーションを行った。

たくさんの人と通話するとゴールドプランは割高になる?

 比較したプランは以下の通りだ。ドコモ、auはそれぞれ「(新)いちねん割引」「年割」に加入して1年目という仮定で計算している。また、ソフトバンクに関しては、2007年1月15日が期限となる同社大創業祭キャンペーンの「予想外割」に加入し、基本使用料が70%オフになった状態と仮定した。

21円/30秒をベースにした各社の料金比較
キャリア プラン 基本使用料 無料通話 通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 2880円 0円 21円/30秒
ドコモ タイプSS 3402円 1050円 21円/30秒
au プランSS 3213円 1050円 21円/30秒
ウィルコム ウィルコム定額プラン 2900円 0円 13.125円/30秒
※ウィルコムはPHSだが比較参考として紹介


 今回は通話時間が30分、60分、90分の場合という、3つのケースを想定。さらに、「キャリアを気にせずに電話をかけた場合、通話時間の内訳もシェアの比率とほぼ同じになる」という仮定のもと、2006年10月のシェア(11月8日の記事参照)をベースに、3つの通話時間の内訳を算出した。総加入者は約9837万人なのに対し、ドコモは5214万人(53%)、KDDIは2660万人(27%)、ソフトバンクは1533万人(15.6%)、ウィルコムは430万人(4.4%)である。

 なお、auに関してはKDDIグループとしてツーカーも含めた数字で算出している。また、計算の便宜上、加入者の計算時に千の位を四捨五入した。シェアは小数点第2位を、算出した通話料は小数点第1位を四捨五入した。

各社のシェア比率を基にした30分、60分、90分の通話比率
通話先 30分かける場合 60分かける場合 90分かける場合 シェア
ドコモへ 15.9分 31.8分 47.7分 53.0%
auへ 8.1分 16.2分 24.3分 27.0%
ソフトバンクへ 4.7分 9.4分 14分 15.6%
ウィルコムへ 1.3分 2.6分 4分 4.4%

 上の表を見てほしい。例えば、30分の通話を行った場合、キャリアを意識せずに電話をすると、シェア比率に合わせた内訳がドコモに15.9分、auに8.1分、ソフトバンクへ4.7分、ウィルコムへは1.3分になる。60分、90分の場合も同様の内訳を出したので参考にしてほしい。

 この通話時間の内訳通りに電話したと仮定すると、各社の基本使用料と通話料の合計は以下のようになる。なお、自社間での通話が無料とうたっているソフトバンクとウィルコムの場合は以下の計算式を当てはめている。

  • 30秒毎の通話料×他社への通話時間=通話料

 さらに30秒以下は30秒に繰り上げ、30秒より大きく1分未満の場合は1分に繰り上げた。これは、30秒ごとの課金体系だからである。例えば30分かけた場合の通話料は、シェアから求めた通話比率によりソフトバンクからソフトバンクへの通話が4.7分なので、残りの通話時間は25.3分(25分18秒)が他社への通話となる。すなわち、実際の課金は25分30秒で行われるということだ。

通話比率から算出した各社の基本使用料と通話料の合計金額

30分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 3951円(2880円+1071円)
ドコモ タイプSS 3612円(3402円+210円)
au プランSS 3423円(3213円+210円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 3661円(2900円+761円)
60分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 5022円(2880円+2142円)
ドコモ タイプSS 4872円(3402円+1470円)
au プランSS 4683円(3213円+1470円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 4409円(2900円+1509円)
90分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 6072円(2880円+3192円)
ドコモ タイプSS 6132円(3402円+2730円)
au プランSS 5943円(3213円+2730円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 5158円(2900円+2258円)

 この表を見ると、30分の通話料ではauが、60分、90分ではウィルコムが最も安い。また、30分、60分を見ると、ソフトバンクのゴールドプランは他社よりも基本使用料+通話料が割高なことがわかる。ドコモとソフトバンクを比べた場合でも、90分通話するケース以外はソフトバンクの方が割高だ。

 なおこの比較では、ドコモは「ファミリー割引」に加入していない。auも「家族割」もしくは「MY割」に未加入の状態である。もし、これらの割引を利用できるようなら、ドコモ、auのタイプSS、プランSSは、ゴールドプランに比べ、常に料金は割安ということになる。加入年数も1年目という計算だったため、それ以上の年数で(新)いちねん割引、年割に入っている場合はさらに差が広がってしまう。

 また60分や90分通話する場合は、ドコモやauでは1つ上のプランを選択した方が、料金は安くなる。これらをトータルで考えると、「ソフトバンクユーザーでない人に何も考えずに通話するとゴールドプランは割高」ということになるだろう。

 このような結果になったのは、ソフトバンクのゴールドプランが「無料通話」というサービスを含んでおらず、30秒あたりの通話料が21円と比較的割高だからである。また、ソフトバンクのシェアがまだ低いという状況も、結果に大きく影響していると思う。

ゴールドプランで得する使い方とは……

 それでは、ソフトバンクのゴールドプランはどのように使えばよいのか? 既に解説したように、現状のシェアでは相手のキャリアを気にせずランダムに電話をかけると、割高になる確率はずっと高くなってしまう。自社同士の通話料が定額というメリットを享受するためには、やはり周りをソフトバンク利用者で固めてしまうのがよさそうだ。

 以下の表のように意図的に同一キャリアへの通話を8割まで増やすと、90分以上の通話でソフトバンクが割安になることが分かる。

 先ほどの比較とは異なり、この比較ではドコモとauのプランが最も割安となるように、通話時間に合わせた最適なプランを選択した結果だ。また、ドコモは(新)いちねん割引とファミリー割引、auはMY割、もしくは年割と家族割にセットで加入したという条件でシミュレーションを行っている(ただし、新規加入を前提に継続年数は1年で計算した)。

同一キャリアへの通話を8割にした場合の各社の基本使用料と通話料の合計金額

30分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 3132円(2880円+252円)
ドコモ タイプSS 2667円(2457円+210円)
au プランSS 2610円(2400円+210円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 3058円(2900円+158円)
60分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 3384円(2880円+504円)
ドコモ タイプS 3307円(3139円+168円)
au プランS 3133円(3133円+0円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 3215円(2900円+315円)
90分かけた場合の通話料
キャリア プラン 基本使用料+通話料
ソフトバンク ゴールドプラン 3636円(2880円+756円)
ドコモ タイプS 4441円(3139円+1302円)
au プランS 4057円(3133円+924円)
ウィルコム ウィルコム定額プラン 3373円(2900円+473円)

 つまり、ランダムに通話すると、ドコモとauに不利な条件で見積もった場合でもゴールドプランが割高になるのに対し、ソフトバンク同士の通話を8割以上にすれば、ドコモとauで最適なプランを選択し、割引サービスにしっかり加入した場合よりも、さらに安くなるケースがあることが分かる。

 さすがにウィルコムよりは高くなるものの、携帯電話ならではのエリアの広さや、番号ポータビリティで他社から移れば今までと同一の番号を使えるといったメリットもあるため、数百円程度の差であれば、ソフトバンクに魅力を感じるユーザーもいるだろう。

ポッキリ2880円だけで支払いを済ませる方法もある

 また、完全に通話先をソフトバンクで固めてしまえば、さらに料金は割安になる。

 例えば、ほとんど家族としか通話しない単身赴任の父親や、話す人がほぼサークルの仲間、彼氏、彼女だけという学生。会社から仕事用のケータイが支給されておりプライベートでは特定の人としか話さないという社会人などは、周りをソフトバンクケータイで固めれば、21時から翌1時までの時間帯は200分/月以上が有料という制限はあるものの、2880円で話し放題というメリットを最大限利用できるだろう。

 このような使い方は、今まではウィルコムの独壇場だった。以前、筆者が大学生に取材した際に、サークルでウィルコムを一括導入して、サークル間の連絡はすべてPHSで行っているという話を聞いたことがある。その学生は2台目としてウィルコムを契約していたが、同様の使い方をするなら、2880円のソフトバンクの方が月額20円ではあるが割安だ。

 しかし、2880円以上払いたくないという場合には、注意したい点もある。既報の通り、予想外割に加入するとお試しサービスとして「スーパー安心パック」や「スーパー便利パック」「パケットし放題」もセットで付いてくる。基本料のみの2880円を維持するにはこれらを解約する必要があるのだ。スーパー安心パックは最大3カ月間、スーパー便利パックは最大4カ月間、パケットし放題は最大2カ月間無料で使えるので、無料期間が終わったら忘れずに解約するようにしたい。

無料期間が切れるタイミングでサービスを解除していく

完全に通話のみにしたい場合は、パケットし放題と同時に「S!ベーシックパック」(月額315円)の解約も必要となる

 つまり、契約して2カ月目でパケットし放題を解約し、3カ月目でスーパー安心パックを解約、そして4カ月目にスーパー便利パックを解約すればよいのだ。ちなみに、下旬に加入すると数日でも1カ月目とカウントされてしまうため、できれば月初に契約することをお勧めする。

 なお、パケットし放題でパケット通信を行う場合、月額315円の「S!ベーシックパック」への加入が必要となる。こちらもパケットし放題と同時に解約しよう。また、S!ベーシックパックには無料期間が存在しないため、最初から通話のみで使うと決めている場合は、契約直後にパケットし放題とS!ベーシックパックを解約してしまえば余計な料金がかからないで済む。

 これで、ソフトバンクケータイが2880円で話し放題となる。21時から翌1時までの時間帯の利用制限はあるが、ここを回避した使い方をすれば問題ないだろう。このように、特定の用途に限れば、ソフトバンクのゴールドプランも意外とお得だと言える。2台目の端末として持つケースや、通話する人は特定の人ばかりというケースでは、ゴールドプランも悪くないプランかもしれない。

※本原稿は執筆時点(2006年11月15日)のデータを基にしています。また、料金プランは原則、NTTドコモはNTTドコモ(関東)、auは関東、ソフトバンクは関東甲信地方のものに準拠しています。地域によってサービス開始時期や名称、料金などが異なる場合があります。

※料金の試算は概算です。実際に計算した料金にならない場合もあるので参考としてご利用ください。

※各社の基本使用料、無料通話、契約解除料などはすべて税込み表記です。

※各社のサイトやパンフレットで最新の情報を必ず確認してください。


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