プラダを着た悪魔「電話に出なきゃいけないの」Mobile&Movie 第238回

» 2006年12月08日 23時30分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)
監督デヴィッド・フランケル
制作年・製作国2006年アメリカ作品


 今回ご紹介するのは、実在するファッション誌の編集長がモデルと言われている『プラダを着た悪魔』。恐怖の鬼編集長は、ビジネスのトラブルからプライベートのおつかいまで、携帯電話一本でアシスタントに指図。そして、その命令は何があっても、絶対守らなければならないものなのです。

 ジャーナリスト志望のアンディ(アン・ハサウェイ)は、大学卒業後ニューヨークでの職探しに明け暮れていました。経験のないアンディを雇ってくれる企業はなかなか現われず、落ち込む日々。そんな中、やっと面接にこぎ付けたのが、大手出版社が発行する“ランウェイ”誌でした。

 ファッション誌と知りつつも、“ランウェイ”は読んだことがなかったアンディ。社会派のジャーナリストを目指すアンディにとって、ハイクラスのファッションの世界はまったく無縁もの。それでも、何とか働き口を見つけるために、“ランウェイ”の編集部にやって来たのです。

 アンディを見た途端に呆然としたのが、アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)。それというのも、エミリーのサポート的なアシスタントを募集していたのに、やって来たのはファッションセンスゼロのアンディだったからです。どう見ても使えなさそうなアンディを、エミリーは面接もせずに帰らせようとしましたが、そこに現われたのが、“ランウェイ”のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)。ミランダが編集部に着いた途端、フロア中に緊張感が走ったのを、アンディは見逃しませんでした。

 ミランダはエミリーを遮り、アンディの面接をすることに。ミランダもまた、ダサい服装のアンディを痛烈に批判しましたが、やる気とアタマのよさそうな点を買って採用することにします。こうして、アンディは悪魔のような編集長ミランダのもとで働くことになったのでした。

 エミリーからは“ミランダの言うことには絶対服従”だと、さっそく教えられます。そして、いつ何時もミランダから携帯電話に連絡があったら、取らなければならないと。父親がアンディに会いにニューヨークへやって来て、家族水入らずでディナーをしている時もミランダからの電話は鳴り響きます。

 「電話に出なきゃいけないの」

 と言い訳をして、取るアンディ。そんな働きっぷりに父親は心配顔。親子の間を割ってかかってきたミランダからの用件は、なんとマイアミからニューヨークへ今夜帰る飛行機を手配すること。悪天候のため、飛行機はすべて欠航となっており、航空会社に問い合わせみますがやはり手配は無理。父親のことはそっちのけで、ひたすら電話をかけまくってこの日のディナーは終わってしまったのでした。

 キャリアのためと割り切って、冷徹なミランダの命令を聞いてきたアンディでしたが、我慢も限界に……。そんな時、ミランダが信頼する“ランウェイ”のエディター、ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)がアンディにアドバイスします。これが、アンディを変えるきっかけに。悪魔の下で働いたアンディは、どのように変身していったのでしょう?

 ファッション誌が舞台だけあって、プラダにグッチにシャネル、マノロ・ブラニクにジミー・チュウ、ロシャス、ヴァレンティノ、ガリアーノと登場するブランドは星の数ほど。メリル・ストリープやアン・ハサウェイの衣装もとってもゴージャス。女の子なら、ファッションチェックだけでも楽しくなる作品です。

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