インタビュー
» 2006年12月14日 17時29分 公開

開発者に聞く「W43K」:“もっとも音がいい携帯”をめざして──「W43K」の挑戦 (1/3)

スピーカーのような外観を持ち、auの秋冬モデルの中でもひときわ音楽機能が充実した京セラ製WIN端末「W43K」は、“もっとも音がいい携帯”をめざして開発された端末だった。

[園部修,ITmedia]

 auの秋冬モデルラインアップの中でも、ひときわその音楽機能をアピールする外観を持つのが京セラ製のWIN端末「W43K」だ。背面はスピーカーユニットを想起させるデザインで、標準添付の充電台はウーファーを搭載するなど、“音楽を楽しむ”ことをコンセプトの中核に据えていることが一目で分かる。

 非常に個性的なボディをまとったW43Kはどうして生まれたのか。端末に込めた思いとこだわりを京セラ 移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 マーケティング課 マーケティング2係の川居伸男氏と、移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 デザイン課 デザイン係の播磨隆太氏に聞いた。

PhotoPhoto 京セラ製のWIN端末「W43K」。ボディカラーはシャイニーシルバー、ブルーターコイズ、ナイトブラックの3色

auの強み、“音楽”をより強く押し出せるウーファー

Photo 移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 マーケティング課 マーケティング2係の川居伸男氏

 W43Kは、企画がスタートした当初から、2006年秋に発売予定のモデルとして計画されていたため、当然番号ポータビリティ(MNP)制度の開始は意識していたと川居氏は話す。

 「2006年秋のMNPの断面で、どんな商品が必要かと考えたとき、やはりauの持つ強みを押し出せるモデルが必要になると思いました。そこで、音楽に特徴を持たせたものが何かできないか検討したのです」(川居氏)

 その結果出てきたのが、2006年春モデルとして発売された「W41K」のように、充電台にウーファーを搭載するというアイデアだった。W41Kは、「LISMO」の立ち上げと同時に発表された端末ということもあり、音楽機能には特に力を入れて開発された端末だ。充電台に搭載した口径30ミリのウーファーは、携帯電話の小さなスピーカーではなかなかうまく出せない、1キロヘルツ以下の低音域をしっかりと再生できたため、音楽再生機能を重視するユーザーから好評を博した。

 「W43Kでも、充電台にウーファーを搭載することで、他社の端末にはない京セラならではの特徴を持たせました。ウーファーとしての性能は、W41Kよりもさらに強化しています。一見して分かると思いますが、ウーファーユニットの容積はW41Kの約3倍になりました。このため、口径は同じ30ミリですが、音質は格段によくなっています。また、W41Kのウーファーは上向きに付いていましたが、W43Kでは充電台の下に下向きに取り付けました。充電台自体は少し浮いたような形になっており、机などに反響して音が広がるようにしています」(川居氏)

Photo 移動体通信機器事業本部 移動体通信機器国内営業部 マーケティング部 デザイン課 デザイン係の播磨隆太氏

 大型化した充電台は、デザイン面での進化も見られる。W41Kのウーファーは、一般的な充電台にウーファーが後付けされたようなイメージだった。しかしW43Kの充電台は大きなドーム型で、存在感がある。一般的にはあまりコストをかけないものとされる充電台だが、播磨氏は「裏側のデザインにまでこだわった」と話す。

 「W43Kのウーファーは、スピーカーのコーンを伏せて置いたようなイメージにしています。普通は、充電台の裏側までデザインをすることはあまりないと思いますが、ひっくり返してみると裏側はスピーカーのように凹凸を付けたデザインになっているのです。下から音が出ることが分かりやすい形状になっているわけです。小さなこだわりですが、譲れない部分でした」(播磨氏)

 さらに播磨氏は“気が付きにくいがこだわったポイント”を1つ教えてくれた。「実はこの充電台、ツートーンカラーになっています。下に何かがある、下から音が出る、というのが分かるように、ドームの部分は黒なのですが、下部のパーツはグレーなんです。ここに気付いてひっくり返していただくと、スピーカーネットのようなモールディングがあるわけです」

PhotoPhoto W43Kのウーファー付き充電台。黒いドーム型で、スピーカーは裏面に付いている。よく見ないと分かりにくいが、ドーム型充電台の下部は灰色になっており、裏返すとスピーカーネットのようなデザインが施されていることに気付く

 なお、この充電台は音楽を再生しながら充電ができる訳だが、残念ながら「au Music Port」から楽曲を転送するためには、別途USBケーブルでPCと端末を接続しなくてはならない。充電台に置くだけで充電もPCからの楽曲転送もできたらもっと便利だと思うのだが、その点は検討されなかったのだろうか。

 川居氏は「USBも、あれば使いやすいという点は認識しています」と話す。ただ、充電用の2つの端子とウーファーを接続するための2端子がすでに本体に搭載されていて、ここにUSBを足そうと思うとさらに3つの端子が必要になるという。「端末が端子だらけになってしまうことや、スペースの制約などがあって実現できませんでした。また現状では、LISMOの利用形態がPCから楽曲を転送するよりも、ダウンロードした着うたフルを楽しむことが中心になっていると分析しています。今回はUSBの優先順位はそれほど高くなかったため、搭載は見送ることになりました」(川居氏)

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