“N”が折りたたみでなくなる日――キーパーソンが語るこれからのNECデザイン「N904i」デザインインタビュー(1/2 ページ)

» 2007年06月12日 17時59分 公開
[太田百合子,ITmedia]
photophoto NTTドコモ、NEC、ステファノ・ジョバンノーニ氏の3者コラボモデル「N904i」
photo NECモバイルターミナル事業部クリエイティブスタジオクリエイティブディレクター 佐藤敏明氏

 佐藤可士和氏とのコラボレーションによる「N702iD」と「N703iD」、折りたたみではFOMA最薄の「N703iμ」、ステファノ・ジョバンノーニ氏がデザインした「N904i」。これらの端末の形状はいずれも、NECが生みだし、今やグローバルスタンダードとなっている折りたたみ型(クラムシェル)の携帯電話だ。

 しかしこれらの端末は、従来のNEC製携帯電話とは、その表情もコンセプトも大きく異なっている。単に有名デザイナーを起用したからではなく、NECのデザインに対する考え方や、取り組み方そのものが変化しているのだ。

 NECは2006年、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのクリエイティブプロデューサーだった佐藤敏明氏を招いて「クリエイティブスタジオ」という新組織を設立した。かつてNECは、何年にも渡って販売シェア1位を独走する、自他ともに認めるトップメーカーだった。しかし昨今、その勢いは失われシェアは低下。悩みながら模索した答えの1つが、クリエイティブスタジオ設立にあった。

変わらない安心感が、変わらないことへの不満に変化

 NTTドコモの携帯電話が、ムーバからFOMAへと移り変わっていく中、NECが発表した「N900i」「N900iS」「N901iC」は、いずれも「アークライン」という折りたたみデザイン。メインディスプレイ背面に、カメラと縦長のサブディスプレイという、よく似たフォルムのデザインを採用していた。新技術が次々に追加され、デザインの自由度が少なかったこともあるが、ムーバの時代にNECブランドを支えていた「変わらない安心感」を、そのままFOMAにも持ち込んだ。しかし、「変わらない安心感」はいつの間にか、「変わらないことへの不満」へと変化してしまっていた。

photophotophoto アークラインデザインの「N900i」「N900iS」「N901iC」

 佐藤氏は「個人的に、NECが大きなシェアをとっていたことや、リーディングカンパニーであることの自負が、逆にエンドユーザーの存在感を希薄にしてしまっていたのかなと思っています。それに対するユーザーのストレスが、結果として変わってほしいという思いや、変わらないことに対する不満となっていたかもしれません」と話す。

 実際、N900iは2004年のグッドデザイン賞を受賞したものの、その後、NECの販売シェアは大きく転落。長らく守ってきたシェアトップの座を、他メーカーに明け渡すことになる。続く「N901iS」から「N902i」「N902iS」にかけては、変化を求めるユーザーの声に背中を押されながらもその方法を暗中模索していた、迷走時代と言えるだろう。

photophotophoto アークライン路線をやめた「N901iS」「N902i」。アークラインは“Link Face Design”へと進化して「N902iS」に採用される
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  6. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  7. 「実質24円」は今後も続く? スマホ残価設定は「現状維持」、残価率の一律化は「適当ではない」と総務省が評価 (2026年06月25日)
  8. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  9. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
  10. iPadやMac値上げでiPhoneはどうなる? Apple直販は価格維持も、キャリアや量販店で値上げの動きが続く (2026年06月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー