防水にかける心意気はパーツに宿る──機構設計担当が解説する「W53SA」(後編)(2/2 ページ)

» 2007年08月01日 21時31分 公開
[青山祐介,ITmedia]
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 しかし、中途半端に伸ばした状態で使った場合でも内部に浸水しないよう、アンテナ格納部には筒状の防水構造を施したと上山氏。具体的にはゴムでできた筒状の部品の下に栓をして、アンテナ収納部を試験管のような“容器”にした。

PhotoPhoto W53SAのホイップアンテナは、アンテナが中途半端に引き出された状態でも水が浸入しないよう、格納部の筒を含めて防水構造になっている。特殊な構造のため、「相当な手間とお金がかかっている」という

 「アンテナもW53SAのためのスペシャルな部品です。企画サイドからは“とにかく小型化してほしい”という強い要求があり、必要な条件をクリアするのは絶対にムリだと抵抗しましたが、結局企画に押し通されて……。アンテナを格納するパイプもあらゆるところから強度と密閉性を確保できるものを探してきました。このパイプのための“栓”も特製で、アンテナもトップをなるべく小さくしています。金属の端子部もとにかく平滑にしてパッキンとの密着度を高めるなど、じつはすごい手間とお金がかかっているんです」(上山氏)

新たに専用で作られた防水仕様のスピーカー

 防水端末ながらステレオスピーカーを搭載しているのも、W53SAの大きな特徴だ。防水機構を備えた製品は、できるだけ開口部を減らしたほうが開発効率がいい。また、小型化と防水構造でただでさえ狭くなっている筐体内にスピーカーを2個入れるのは容易なことではない。

 「W53SAはバスルームでワンセグを視聴することを提案したモデルです。バスルームの中では、端子カバーを開けてイヤフォンを差すことはできませんから、ディスプレイと同じ面にステレオスピーカーを配置する必要があったのです」(上山氏)

 一般的に防水端末のスピーカー部は、ケースとスピーカーの間に特殊な防水シートを挟んで水の浸入を防いでいる。しかし、音の進路上にシートを挟むとシートが共振して音が悪くなってしまう。そこでW53SAではこの防水シートを使わず、防水仕様の専用スピーカーを新たに開発した。スピーカーの命ともいえる振動板の材質選びや、そこに水圧がかかった場合にそれを分散できるような断面形状の検討、さらにはストッパーを取り付けるなどの工夫がなされた防水スピーカーがW53SAには搭載されている。

PhotoPhoto ステレオスピーカーを搭載している点もW53SAの魅力の1つ。スピーカー自体が防水性能を備えており、W53SAのために開発された。防水シートを使っておらず、高音質を確保している

 キルティング加工風の柔らかなフォルムや女性的なカラーバリエーションを持つW53SAは、外見こそ“女ワンセグ”だが、その中身をよく見ると、無骨で剛性の高いフレームにマグネシウムやステンレスといった素材があちらこちらに顔をのぞかせる。あらゆる部分を固める防水パッキンや多数のビス備えるなど、外見とはまったく違った一面をもつ端末なのだ。

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