海外で人気のchocolateブランド、「L704i」の実力を試す(前編)

» 2007年11月19日 00時10分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 LG電子が海外展開して大きな成功を収めたのが、chocolateブランドの携帯電話。スライドボディのフロント部はフラットでつややかな質感を持ち、タッチパッドのソフトキーに触れると光る赤色LEDが印象的な端末だ。このchocolateを日本で展開したのがドコモの「L704i」だ。LG電子はこれまで、日本市場向けにSIMPUREシリーズを投入しているが、70xiシリーズなどのメインストリーム端末を投入するのはL704iが初となる。

 704iシリーズで唯一、下り3.6MbpsのFOMAハイスピード(HSDPA)に対応し、音楽番組のプッシュ配信サービス「ミュージックチャネル」も利用可能。また国際ローミングは3G/GSMに対応し、海外での利用に幅広く対応する。ただし、日本のトレンドサービスであるおサイフケータイやメガiアプリには非対応となる。

 メニュー構成は国内メーカー製のFOMA端末と変わらず、FOMAプラスエリア(800MHz)にも対応するなど、日本のユーザーでも違和感なく使える端末に仕上がっている。

 

Photo スライドボディの「L704i」。閉じた状態では一枚板のようにフラットだ。ダイヤルキーにはフレームレスタイプのキーを採用。カメラを搭載する底面もほぼフラットに仕上げるなど、chocolateの持つ世界観の統一が徹底している

 ボディ形状はスライド型で、閉じた状態のフロント部はフルフラット。ディスプレイ側に装備する十字キーなどはタッチセンサーになっており、窪んでいるのはスピーカー部くらいだ。

Photo 折りたたみ型の「P902i」と比較したところ。L704iは48ミリと幅が狭いためか、手に持つとすっきり収まり、コンパクトな印象だ

タッチセンサーの使い勝手は

 L704iの大きな特徴といえるのが、メインディスプレイ下部にあるタッチセンサー。十字キーと決定キー、左右のソフトキー、発話キー、クリアキーがタッチセンサーになっている。

 表に出ているキー類の配置は、一般的な日本メーカー製のスライド端末とは異なる。一般的なスライドケータイで終話キーがある位置には「クリア/戻る」キーがあり、電源キーを兼ねる終話キーは右側面にある。この配置は終話キーの誤操作や、タッチセンサ部分に多数のキーを置くと操作がシビアになることに配慮したためと思われる。

 通話時以外では、終話キーとクリアキーの機能は似たところがあるので、意外と違和感はなかった。例えば、アドレス帳の一覧画面からは終話キーでもクリアキーでも待受画面に戻れる。

 終話キーは、端末側面の中央付近にレイアウトされ、左手で持てば中指で、右手で持てば親指で比較的容易に操作できる。日本の一般的な端末とは位置が異なるため、最初はとまどうかもしれないが、慣れればさほど不便を感じさせないであろう絶妙な位置にある。

Photo ディスプレイ側の操作部は赤色に浮かび上がる。各キーの間隔は広めに確保されている(左)。終話ボタンは右側面のほぼ中央にあり、慣れれば操作しやすい(右)

 タッチセンサーの操作は確認音のほか、バイブレーションで触れたことが分かる。タッチセンサーの感度は調整可能で、筆者の場合は「標準」より「低」に切り替えた方が快適に利用できた。

Photo タッチパッド設定でバイブレータ連動のオン/オフとタッチパッドの感度を設定できる

 タッチセンサーが苦手とするのは、メニュー操作や候補選択、スクロール時などの方向キーの連続打鍵。物理スイッチキーのようには操作にリニアに反応せず、少々いらいらすることもあった。押しっぱなしにすればキーリピートするが、これもあまり速いわけではなく、調整もできない。ダイヤルキーでショートカットできる操作は、これを活用した方がスマートだ。感度と同時にキーリピートの設定もできれば、さらに使い勝手がよくなっただろう。

 後編では、音楽プレーヤー機能や文字入力、ユーザーインタフェースについてチェックする。

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