ディスタービア「誰か、電話かけてこーい」Mobile&Movie 第286回

» 2007年12月10日 01時00分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名ディスタービア(Disturbia)
監督D・J・カルーソー
制作年・製作国2007年アメリカ作品


 今回ご紹介する作品は、自宅謹慎を命じられた高校生が近所の事件を目撃してしまう『ディスタービア』。家から出られない主人公にとって、ケータイは外部との接点になる大切なアイテム。自分の代わりにいろんな場所に行ける友人に、外の様子を伝えてもらうのです。

 ケール(シャイア・ブラーフ)は、作家だった父を敬愛していた高校生。その父を交通事故で亡くしてからは自暴自棄の毎日を送っていました。勉強にも身が入らず宿題をやっていなかったことを叱られたケールは、つい教師を殴ってしまい、自宅謹慎の処分に。足には自宅から半径30メートルを超えると、警察に通報される監視システムが取り付けられ、3カ月間おとなしく過ごさなければならなくなりました。

 母親のジュリー(キャリー・アン・モス)は、父の死からなかなか立ち直れないケールに手を焼き、さらに厳しくしつけることを決意。自宅謹慎が決まってから、ネットワークゲームやiTunes Storeも解約してしまったのです。そんなケールにとって、頼みの綱は携帯電話。親友のロニーに電話して、学校の様子を聞こうとします。

 「アタマがおかしくなりそうだ」

 家にいなければならない苦しさを、ケールは打ち明けます。しかし学校は夏休みに入り、ロニーもバカンスに出かけてケールの相手をしてくれません。携帯電話を見つめて思わずケールは

 「誰か、電話かけてこーい」

 と呟きます。退屈なケールが自宅でできるヒマ潰しとして始めたのが、ご近所ウォッチング。“のぞき”と知りながら、双眼鏡でそれぞれの家の様子を毎日見続けていました。ある日隣の家の前にトラックが止まり、かわいい女の子の家族が引っ越してきたのを発見します。ケールは警報装置が鳴らないよう、工夫しつつ、隣家の美少女アシュリー(サラ・ローマー)と顔を合わせることに成功します。

 アシュリーもまた、退屈な毎日をもて余していたひとり。自宅謹慎中というケールに興味を持ち、次第に仲良くなっていきます。ケールは観察して集めたご近所情報を、すべてアシュリーに教えます。向かいのターナー(デビッド・モース)が1日に2回も芝刈りをしていること、そして連続失踪事件の容疑者と同じクルマに乗っていること。

 ケールの情報に興味を持ち、アシュリーもゲーム感覚で推理をスタート。2人してターナーの様子を双眼鏡で確認していると、そこにターナーが赤毛の女性とともに帰宅。連続失踪事件で行方不明になっている女性はすべて赤毛、ますます疑惑を募らせたケールは、アシュリーとロニーに頼み込んで、自分の代わりにターナーの周辺を探ってくれと頼み込みます。夏休み・自宅謹慎中のヒマ潰しの推理ゲームのはずが、事態は思わぬ方向へ……。ケールとアシュリーが直面する遊びですまない恐怖とは?

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