総務省、アイピーモバイルの2GHz帯免許認定取り消しを決定

» 2007年12月13日 16時01分 公開
[園部修,ITmedia]

 総務省は12月12日、電波監理審議会からの答申を受け、アイピーモバイルが返上した2GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設計画の認定を取り消すことを決定した。

 アイピーモバイルは、2005年11月10日にソフトバンクの携帯電話事業会社BBモバイル(当時)、イー・モバイルとともに、携帯電話事業への新規参入が認められ、2GHz帯の周波数を使ってTD-CDMA方式でのデータ通信サービスを提供する計画だった。

 アイピーモバイルの当初の開設計画では、2006年10月1日の運用開始を予定しており、運用開始5年後の年度末(2011年度末)の加入数を1160万と申請していたが、その後資金不足などの理由で2007年春に延期。企業再生や経営支援などを手がけるリヴァンプと提携し、元デル日本法人社長の浜田宏氏を取締役に迎えたりもしたが、2007年春になってもサービスは開始できなかった。

 2007年4月9日には、新聞各紙が「事業を断念し、周波数免許を返上する」と一斉に報道したが、会見を開いて「事業化に向けて邁進する」(杉村五男社長)とこれを明確に否定。だが筆頭株主だったマルチメディア総合研究所は、全株式を森トラストに譲渡した。森トラストは資金、経営の両面でアイピーモバイルを支援することになったものの、その3カ月後の7月には筆頭株主が米NextWave Wirelessに変わり、さらに9月には森トラストに戻るなど、混迷を極めた。

 2007年11月9日のサービス開始期限が迫った9月28日には、森トラスト名義の株式の譲渡先などを巡って会長(当時)の杉村五男氏と取締役が対立し、杉村氏以外の取締役が解任されるというドタバタ劇も表面化したが、この時はまだ「事業立ち上げは可能」としていた。

 しかし10月30日に、アイピーモバイルは資金を計画通りに調達できず、事業開始の見通しが立たないことを理由に、総務省に認定の返上を申し出たことから、総務省は11月14日に電波監理審議会に認定の取り消しについて諮問していた。

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