米NextWave Wireless、アイピーモバイルの筆頭株主に──森トラストが全株を譲渡

» 2007年07月13日 11時23分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 アイピーモバイルの筆頭株主として資金・経営面で協力するとしていた森トラストが7月13日、保有する全株(16万4422株、所有割合69.23%)を米通信関連企業のNextWave Wirelessに譲渡することで合意したと発表した。これにより、NextWave Wirelessがアイピーモバイルの筆頭株主となる。

 森トラストは、4月18日のアイピーモバイル株取得以降、事業化を推進するための技術力と運営力を持つ候補企業との交渉を進めてきたという。こうした中、アイピーモバイルが採用するTD-CDMA方式に関連した技術開発を手がけるNextWave Wirelessと交渉した結果、保有する全株式を譲渡することで合意したという。

 アイピーモバイルは、2005年11月に総務省から2GHz帯の免許を取得し(2005年11月の記事参照)、TD-CDMA方式による携帯事業の展開を目指している。当初、2006年10月にサービスを開始する予定としていたが、資金不足などの理由で2007年春に延期した。

 その後、4月10日に筆頭株主だったマルチメディア総研が全株式を森トラストに譲渡。森トラストが筆頭株主として資金面と経営面でアイピーモバイルを支援するとしていたが(4月10日の記事参照)、筆頭株主交代の経緯や事業開始時期などについては明らかにされなかった。

2007年末までに4Gの無線ブロードバンドを展開できるよう支援──NextWave Wireless

 NextWave Wirelessは、TD-CDMA方式の無線ブロードバンド製品とネットワークを提供するサプライヤー。同社の代表取締役会長兼CEOのアレン・サルマシー氏は、今回の投資について「世界で最も進んだ通信市場の1つである日本で、2007年末までに4Gの無線ブロードバンド技術を展開できるよう支援することが目的」と説明。総務省がアイピーモバイルに割り当てた2GHz帯を使い、上り最大30MbpsのTD-CDMAを展開する計画としている。

 同氏はまた「アイピーモバイルの商用ネットワークがスタートすれば、ワールドクラスの日本企業がコンシューマー向け新製品やアプリケーションを日本市場に投入し、アイピーモバイルの未来に対して投資してくれるだろう」と予測している。

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