プラットフォームはグローバルベースに変えていく――ドコモの中村社長

» 2008年01月29日 21時30分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo NTTドコモの中村維夫社長

 NTTドコモの中村維夫社長が決算発表の席上で、同社の事業の現状と年度末に向けた施策について説明した。新たな割引サービスや販売モデルの推移、定額プランの加入状況、ネットワーク構築の進捗について話すとともに、今後の携帯プラットフォームのあり方や、ライバルキャリアが打ち出した施策にも言及した。

端末の高速化でパケットARPUが増加

 2008年3月期第3四半期の決算は減収減益となったものの、2007年に導入した新割引サービスや新販売方式は好調に推移している。「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」「オフィス割MAX50」の契約数は2007年末時点で全契約の約33%にあたる1760万契約に到達。ドコモでは2008年3月末までの契約目標を1900万契約に上方修正しているが、これを上回るペースで契約が増加しており、3月末には2000万を上回る契約数が期待できるという。

 905iシリーズの発売と同時に導入した新たな販売方式は、端末購入代金を従来より多くユーザーに負担してもらう代わりに月々の料金を安くする「バリューコース」を選択するユーザーが95%を占め、1月15日には契約数が200万を突破した。ドコモは従来の販売方式に近い「ベーシックコース」も用意しているが、ユーザーの多くがドコモが主軸とするバリューコースを選択した格好だ。なお、バリューコースで割賦販売を利用するユーザーは76%で、52%が24カ月払いを選んでいるという。


 定額プランのパケ・ホーダイは、iチャネルや動画サービスなどのメニューの充実が牽引する形で、2007年末時点で約1200万契約に拡大。ARPUはパケットARPUの伸びが堅調で、前年同期比9.5%増の2200円となった。中村氏はパケ・ホーダイの契約増がパケットARPUの伸びを支えているとし、コンテンツの充実が従量制ARPUの伸びにつながり、それが定額制への加入につながっていると見る。また、標準でFOMAハイスピード(HSDPA)に対応する905iシリーズの売れ行きが好調であることも、パケットAPRUが伸びている要因とした。「(FOMAハイスピード対応)端末の増加に伴ってパケ・ホーダイの契約が伸びている。12月の加入者は従来のペースの2倍で伸びた。高速化が進むとパケ・ホーダイ契約が増えるのではないか」(中村氏)


 3Gローミング対応機が増えたことから国際ビジネスも好調で、前年同期比で37%の伸びを示したと中村氏。905iシリーズや705iシリーズではGSMローミング対応機のラインアップが増加していることから、米国や中国での利用増に期待を寄せた。

 第3四半期までに4882億円を投資したFOMAネットワークの構築は、2007年12月末でHSDPAの全国カバー率が96%となり、2008年3月末には97%に達する見込み。またネットワーク品質の向上を図るために、繁華街や移動中の利便性を考慮したエリア改善にも取り組んでいることを挙げた。「低層階や地下エリアでつながらないという声があるので、低層基地局やブースターを設置している。また、高速道路や鉄道などでの移動中に快適に使えるよう、エリア改善を行っている」(中村氏)

 最大の商戦期といわれる春に向けた施策としては、705iシリーズ13機種36色と、10機種36色をそろえたハイエンドモデルの905iシリーズを投入。品薄で入手が困難になっている905iシリーズの一部機種については、「2月のちょっと先までは商品の手当がつかない」としながらも、春商戦には間に合うよう準備を進めているとした。


1000万円の携帯は考えていないが……

 中村維夫社長はまた、国内外で携帯電話事業をめぐる新しい動きが起こり始めていることにも触れ、それに対する考えも説明した。

 これまでキャリア主導で行ってきた端末開発については、「世界に通用するものがベースにあって、その上にiモードが載るという形のプラットフォームに変えていくことが必要」だと話す。日本の携帯電話開発はこれまで、キャリアが決めた仕様に沿ってメーカーが開発するという形をとっており、これが端末メーカーの海外進出を阻む要因の1つともいわれている。中村氏は、「少し時間はかかるが、設計思想を変えていかなければならない」とし、プラットフォームの改善を図る考えを示した。

 すでにドコモはGoogleのAndroidや、ACCESSのACCESS Linux Platformを自社端末に採用することを検討しており、Linuxベースの携帯電話用ソフトウェアプラットフォーム構築を推進する「LiMo Foundation」にも参画している。Symbian OSを使ったMOAP(S)プラットフォームについても、他キャリアと協調して単一プラットフォーム化を目指すなど、その一端ともいえる施策を講じている。国内の端末需要が減少に向かうとみられる中、グローバルベースのプラットフォームを採用することでそれに対応する方針だ。

 また、3G端末が薄さや機能の面で完成された形になりつつあるとし、今後は使いやすさやデザインのよさが重要になると話す。「iPhoneの使い勝手の良さは、日本のメーカーも世界のメーカーも追いかけるのではないか」(中村氏)

 ソフトバンクモバイルが打ち出した「ホワイト学割」に対しては、「ある程度の期間を決めて提供するというのはすっきりしない気もするが、春商戦にはそれなりのインパクトがあるだろう」とし、ドコモも春商戦に向けた対応策を講じる考えだ。また、1000万円のティファニーケータイについては「顧客の趣味が広がっているから、(家電やファッションなどの)ブランドはあると思う。ただ1000万円までは考えていない」(中村氏)。同社ではすでにファッションブランドとのコラボ端末として「M702iS」のDOLCE & GABBANAモデルをリリースし、家電ブランドを冠した製品も多数リリースしていることから、今後もこの路線を踏襲するとした。

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