首都直下型地震による大規模災害を想定した、陸上自衛隊とNTT東日本、NTTドコモによる共同訓練が2月29日に行われた。訓練は、陸路が遮断された被災地の通信手段確保を目的としたもの。3度目となる今回は、陸上自衛隊東部方面隊から110人、NTT東日本グループから130人、ドコモグループから20人の計260人が参加した。
訓練では、東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3クラスの首都直下地震が発生。渋谷区代々木公園が避難所に指定されたが、建物の倒壊などにより孤立し、また商用電源が止まっているという状況を想定。NTT東日本とNTTドコモが通信機器などの空輸を自衛隊に依頼したところから訓練は始まった。ヘリコプターには災害対策用ポータブル衛星通信設備や衛星携帯電話、被災地で活動する自衛隊員へ貸与する携帯電話、マルチポップ無線LANシステム、可搬型発電機、マルチチャージャーといった災害対策機器が積み込まれた。
支援を待つ側のヘリポートには被災地に派遣された自衛隊員らが待ち受け、災害対策機器をトラックに積み替えて避難所へ向かった。避難所では、ポータブル衛星通信設備を使った特設公衆電話が設置されたほか、発電機による基地局電源の救済とマルチチャージャーによる携帯電話への充電サービスを開始。また、マルチポップ無線LANシステムによる広域無線ネットワークも提供され、通話だけでなくデータ通信を使った被災状況の報告が行える環境を整える。
訓練を行った陸上自衛隊東部方面隊とNTT東日本は、災害時の通信手段確保を目的とした組織連携の協定を2007年2月に結んでおり、2008年3月には東部方面隊とドコモとの協定も締結される予定だ。
訓練に参加したドコモの担当者は、「他社の状況は分らないが、移動基地局や発電車など、被災後のバックアップ体制は弊社が一番充実しているのではないか」とコメントし、災害復旧に対する万全の備えをアピールした。
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