“活性化プラン”でモバイル業界は変わったのか──総務省が評価会議を開催モバイルビジネス活性化プラン評価会議 第1回(2/2 ページ)

» 2008年03月06日 23時54分 公開
[石川温,ITmedia]
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「現行の料金体系は分かりにくい」

 谷脇氏からの報告のあとは、構成員から質問や意見が述べられた。それらのなかに共通した問題意識としてあったのは「料金がわかりにくい、比較しにくい」という点だ。

 齊藤座長からは「新料金プランが始まり、いったい通信料金はいくら下がったのか」という疑問が提示された。それに対し総務省は「利用者の負担に関しての具体的な検証結果は持ち合わせていない。基本料金は変わっていないが、さまざまな割引プランが出てきている。無料通話/通信分などがあり、分かりにくくなっている」と説明。齋藤座長は「料金を分かりやすくすると、ユーザーが一気にそちらに行ってしまうので、(キャリアはあえて)分かりにくくしているのでは」と感想をもらした。

 イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長の野原佐和子氏は「消費者から見ると分かりにくくなっているが、そのあたりの調査はすべきではないか。透明性を確保して、分かりやすくすることが大切だ」という意見を表明。それに対し、総務省は「ユーザーの動向をきちんと把握する必要はある。個人的にもよく分からない。多様化したニーズに適応した料金はたくさん出てきている。ユーザーがきちんと理解した上で契約できるよう、事業者は分かりやすく説明する義務がある。消費者をどう保護していくかに取り組む必要がある」と述べた。

2年契約の一般化とともに強まるハイエンド志向

 現場があまり見えていない議論が続くなかで、現状の問題点を浮き彫りにしたのが野村総合研究所の北俊一氏だ。同氏は「分離プランが始まったが、まだまだ未完成の状態。透明性とか公平性を確保すると自由度が失われる。2年間の拘束や割賦販売制度によって、キャリア間の流動性が下がってしまっている。端末代金を2年間かけて支払うのが当たり前になったことで、ユーザーの自由度が奪われてきた」と指摘した。

 昨年のモバイルビジネス研究会では「多機能ではなく、もっとシンプルな端末があってもいい」「日本市場でミドルクラスの端末を増やすことで、日本メーカーが海外でも端末を投入できるような環境作りをしたい。それが結果、国際競争力強化につながるのではないか」という話があったが、北氏は「むしろ、今は2年割賦契約が多くなっているので、どうせ2年使うなら、とさらにハイエンド志向になってきた。それが良い悪いかは別としても、ラインアップの構成がどう変わっていくのかを四半期ごとに見ていく必要がある」と述べた。

 また北氏はARPUの定義に対しても疑問を呈した。「(販売奨励金モデルでは)少なくともARPUの4分の1が販売奨励金の回収分となっている。統計として海外と比較する場合、日本のARPUに割賦の支払いを含めるのか、それとも外した数値にするのがいいのか。また日本は後払い方式がほとんどだが、海外はプリペイド方式が主流となっている。世界は逆行していて、イギリスは販売奨励金をつけて端末を0ポンドで売っている。日本はARPUをどう定義し、どういう数字を出していくのかを考える必要がある」(北氏)

 資格制度に関して北氏は「販売員は派遣社員であることが多く、彼らが転職する際に、その人の資質や知識を示し、履歴書にも書けるようなキャリアとしての位置づけを考えていた」という。これに対し谷脇氏は「資格制度には、パブリックコメントを募集した際、賛否両論あった。現場からすると、キャリアの資格試験に加えて、新しい資格ができるとなると、負担が増大する懸念があったようだ。総務省が後援する資格は中立性を担保するもので、いたずらに行政の権益を拡大するものではない。キャリア向上につながる資格にしたいというスタンスは変わらない」と説明した。

 評価会議の第2回会合は6月頃に開催される予定だ。

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