2007年度に最も売れたデータ通信端末は、イー・モバイルの「D01NE」だった。
D01NEは2007年3月に開業したイー・モバイルの第1弾端末として発売されたPCカード型データ通信端末。イー・モバイルは最大3.6MbpsのPCデータ通信を月額5980円(年とく割適用時は月額4980円)の定額で利用できる料金プランを用意したのが最大の特徴で、大都市圏を中心とするモバイルPCユーザーの支持を多く集めた。
また、イー・モバイルは2007年12月に国内初となる最大7.2MbpsのHSDPA通信サービスも開始した。データ通信端末を望むユーザーにとって「高速」は特にニーズが高い。7.2Mbps通信に対応する「D02HW」(HUAWEI製 USB接続型)や「D02NE」(NECインフロンティア製 PCカード型)は発売直後から人気になり、D02HWは年間2位/下半期1位、D02NEは下半期9位に入るほど急激な伸びを見せた。
一方、2006年までデータ通信端末カテゴリのほとんどを占めていたウィルコムはイー・モバイルの勢いにやや圧倒された結果になった。ウィルコム端末は年間3位に「AX420N」(下半期10位)、4位に「AX520N」(下半期3位)、5位に「AX420S」、9位に「AX530IN」、10位に「WS008HA」、下半期6位に「AX530IN」(2007年4月発売)がランクインした。
2007年のPCデータ通信環境は「高速・定額・そこそこ安価」がかなり身近になった。定額のデータ通信サービスを早期に開始していたウィルコムと3月に開業したイー・モバイル以外に、携帯大手のNTTドコモとKDDIもPC向けのパケット定額サービスを開始した。
ドコモは「定額データプラン」、KDDIは「WINシングル定額」として展開。2007年12月に発売されたauのWINシングル定額プラン用端末「W05K」は年間7位、下半期4位に入るほどの人気機種に成長したほか、ソニーの「VAIO type T」や富士通の「FMV-BIBLO LOOX T」(以上、ドコモのHSDPA通信モジュール内蔵 レビュー参照)、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X61」(auのWIN対応通信モジュール内蔵)など、WANモジュールを内蔵するノートPC製品も登場した。
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