とんがったコンセプトに対し、“妙にカジュアル”だったカメラ機能──「インターネットマシン 922SH」荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/4 ページ)

» 2008年05月20日 19時09分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
photo シャープ製の「インターネットマシン 922SH」(パールホワイト)。ディスプレイを横に開くスタイルを採用し、QWERTYキーボードを搭載する。3.5インチの大型ディスプレイはハイコントラストで鮮やか。撮影した写真も見やすい

 ケータイというよりは、昔懐かしいHandheld端末(NECのモバイルギアなど)を思い出す、ソフトバンクモバイルの「インターネットマシン 922SH」。

 かぱっと開くと横長の画面とQWERTYキーボードが出現し、ポインティングデバイスはなし。ただし中味はWindows MobileなどのオープンOSを搭載するスマートフォンではなく、そのままケータイ。その辺が新しいのか古いのかよく分からない、おもしろい端末である。

 インターネットマシンというからには、Webを見るだけでなくこちらからブログやmixiに投稿したりメールすることを想定しているだろう。となると、カメラもそれなりによく使われるのではないかと思うのだが、その辺はどうなのだろう。この新しいスタイルの端末で、いつものように“そもそもカメラはどうなのか”を試してみた。


photo 本体裏面にカメラを備える。マクロ切り替えスイッチとフォトライト(LED撮影補助用ライト)もある。撮影はこのようにディスプレイを開いて行うが、上手に持たないと左手の指でレンズを隠してしまうので注意。ディスプレイが180度まで開けばもっと使いやすかったと思う

 カメラスペックとしては、シャープの中堅クラス端末と同等と思ってよさそうだ。

 メインカメラは本体裏面にあり、200万画素CMOSセンサーで固定フォーカス式。オートフォーカス(AF)でないので、マクロ切り替えスイッチも付いている。AFはないため、どうしても数10センチほどの距離で撮る場合に少し苦手としてしまいがちだ。

 カメラの起動は簡単。ディスプレイを開いて[カメラ]キーを押すだけだ。[カメラ]キーは[TV]キーの横にある。起動時間は3、4秒ほど。ディスプレイが3.5インチ(フルワイドVGA/854×480ピクセル)とケータイとしては非常に大きく、コントラストも高いので、これがなかなか鮮やかで見やすい。

 カメラの操作はソフトバンクモバイルのシャープ製ケータイとほぼ同じだ。十字キーの左右にある[メール]キーと[Y!]キーでメニュー表示や切り替えが行え、数字が刻印されたキーに機能ショートカットが割り当てられている(ただ、本端末はいつものダイヤルキー配列でないのに注意)。ボディの形状はかなり違うが、中味はケータイのカメラ機能そのものと思ってよさそうだ。なお、表示されるメニューが“普通のケータイのダイヤルキー前提”のデザインになっているのが妙におかしい。

photophoto シャッターは右上の決定キーで行う。十字キーと[メール]キー、[Y!]キーでメニューやモード切替を行うのは、いつものシャープ製携帯とほぼ同じ。画面は3.5インチで大きくて鮮やか。1600×900ピクセルのワイド写真も撮れる(左)。[メール]キーを押すと、撮影設定メニューが表示される。各機能にショートカットが割り当てられているのだが、画面表示は普通の端末用ダイヤルキーに合わせた並びである

 撮影機能自体はシーンモードなども少なく、とてもシンプル。撮影モードの中に2つおもしろい機能がある。

 1つは「パノラマ/スキャナ」。これは最近のシャープ製携帯に備わる機能で、端末を持ったまま左右に動かすと、自動的にパノラマ写真を作ってくれるものだ(「SH904iのカメラレビュー」参照)。

photo 手持ちで滑らかにカメラを動かすのは少し難しい。少し不自然になってしまったが、このようにおもしろいパノラマ写真が撮れる

 もう1つは「ひとり旅録」。背景をアウトカメラ、自分の顔をインカメラで撮影して“風景と自分を1枚の写真に合成”してくれるという機能だ。

 その手順は、まずアウトカメラ側が壁紙(ワイドVGA/それ以下のサイズも指定可能)サイズになって、風景を撮影。次に、自動でインカメラに切り替わって自分を撮るという流れ。うまくいくと、インカメラで撮影した顔が切り抜かれ、背景写真の下に合成される。

photophoto 撮影モードに加わった「ひとり旅録」。まずメインカメラで背景を撮影し、次にインカメラで自分撮り。自分撮りした顔を切り抜いて、2つを合成する仕組み
photo すみません、自分です。スタジアム観戦にいった記念ってことで。ごちゃっとした背景だと自動切り抜きは少し難しいようだ

 うまくいかないと……、顔がきれいに切り取られず、ちょっとイタい写真になる。自分の顔を撮るときは画面でなく、レンズを見るのがコツだ。そうしないとよりまぬけな写真になってしまう。

 ひとりで……という利用シーンを想像すると当初はもの悲しさを感じたが、もちろんそれに限ることはないだろう。「写真で遊ぶ」アイデアとしてはおもしろいです。

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