auケータイ 3000万の顧客基盤を固定に誘導――「auまとめトーク」の狙い

» 2008年06月25日 18時16分 公開
[ITmedia]

 KDDIは8月から、auケータイとKDDIが提供する固定電話サービス間の国内通話料を無料にするFMCサービス「auまとめトーク」を開始すると発表した。定例会見の場で同サービスの概要を説明した小野寺正社長は、KDDIが固定と移動を1社で提供する企業のメリットを生かしたサービスであるとし、「auケータイと固定のシナジーを期待した施策」だと自信を見せた。

 auまとめトークは、auケータイとひかりone電話やメタルプラス電話、ケーブルプラス電話といったKDDIのコンシューマー向け固定電話サービス間の国内通話料を24時間無料にするというもの。ISPが提供する050番号のIP電話サービスだけでなく、0AB〜J系のレイヤーにも適用できるのが他キャリアにはない特徴で、通常の固定電話ユーザーでもauまとめトークを利用できる。「NTT加入の電話番号をそのまま利用でき、面倒な加入電話の休止手続きもKDDIが代行する」(小野寺氏)。また、利用にあたっては、別途申し込みをする必要はなく、適用条件を満たしていれば、8月の利用分から自動で通話無料が適用される。

Photo auまとめトークのサービス概要と利用イメージ

au 3000万の顧客基盤を固定に誘導

Photo 定例会見で「auまとめトーク」の特徴を説明するKDDIの小野寺正社長

 同サービス導入の狙いを小野寺氏は、「auケータイの利便性向上と固定回線の獲得」だと説明する。KDDIはauケータイ向けにはすでに、家族間通話の定額サービスを提供しているが、これまでは自宅にいる場合でも定額で通話する場合はケータイを使う必要があった。これがauまとめトークを導入することで、固定電話からでも「(auおうち電話に加入している)家族以外の親戚や友達、3000万のauユーザー宛ての通話が無料になる」(小野寺氏)というわけだ。

 また、「auユーザーであれば、ほぼすべての家庭にある固定電話を“auおうち電話”に変えるだけで、(おうち電話とauケータイ間の)無料通話が可能になる」(同)というメリットを訴求することで、約3000万のauユーザーをKDDIの固定サービスに誘導するのも狙いの1つだ。

 現状、auケータイを利用している世帯が1370万であるのに対し、auおうち電話を利用している世帯は180万にとどまっており、「残りの1190万世帯に、auまとめてトークを使ってもらう」(同)ことで、固定サービスの加入者増を目指す。

 KDDIでは同サービスの導入で20億の減収を見込んでいるが、同社は今年度末までの目標として、直収型固定電話サービスの契約者を一定数まで引き上げることを掲げており、小野寺氏は「固定の数を増やすことを基本的な戦略としている。auユーザーに固定のユーザーになってもらうことで、固定の契約数を増やしていきたいのが第一」と説明。一方で、固定サービスの基本料収入はキャリアにとって魅力的であり、「これが増えることによって全体の売上を増やせる」(小野寺氏)とした。「基本料収入は、NTT東西の大きな収入源になっている。基本的に値下げはしておらず、ここにいかにうまみがあるかということ」(小野寺氏)

 さらに、この施策がNTTの独占性を排除するための手段であるとも付け加えた。「(固定の部分の)NTTの独占性を排除していくためには、我々が直収の顧客を増やさなければならないと考えている。(auまとめトークは)そのための大きな手段になる」(小野寺氏)

 なおKDDIでは、auユーザーのauショップへの来店頻度を上げて、顧客満足度の向上を図ることを目指しており、そのための施策の1つとして、夏モデルに「フルチェンケータイ」や「ナカチェン」を投入している。auまとめトークについても、携帯購入などの機会をとらえて訴求し、拡販につなげたい考えだ。

Photo auまとめトークのターゲットとメリット

Photo 「auおうち電話」のメリットと、auショップを通じた拡販策

iPhone 3Gの日本投入、「それなりの影響は受けるだろう」と小野寺氏

 7月11日にソフトバンクモバイルがAppleのiPhone 3Gを発売することを受け、記者からはその影響をどう見るかという質問が挙がった。これに対して小野寺氏は「それなりの影響は受けるだろうと考えているが、どこまでの影響が出るかは、まだよく見えない」というにとどめた。対応策については、「もともと、いろいろなことをサービス面で考えているので、iPhone対応ということではなく、これを着実にやることで対応する」とした。



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