モバイルでないとリーチできない層がある――シーエー・モバイル 向井克成氏EC最前線インタビュー(1/3 ページ)

» 2008年07月03日 19時00分 公開
[吉田卓司,Business Media 誠]

EC最前線インタビューとは?:

 “インターネットでモノを売る”ECサイト。「ネットでビジネスができるの?」などといわれたのも今は昔。現在ではネット通販は、新しい販売チャネルとしてすっかりユーザーの間に定着している。

 しかし、ただWebサイトに商品を並べるだけでは、モノは売れない。ネットでモノを売るには、リアル店舗とは別のノウハウや企業努力が必要になる。ネットでモノが“売れている”会社には、他社とは違う強みや戦略があるのだ。

 「EC最前線インタビュー」は、“最新ではなく最前線”をコンセプトに、数あるECサイトの中から第一線で活躍しているサイトをピックアップする対談連載。食品ECサイト「Oisix(おいしっくす)」に立ち上げから携わり、現在はECコンサルティングを行う吉田卓司氏が、現場の目線で「ECの今」を聞いてゆく。


 ここを読んでいるあなたに質問。あなたは、携帯電話で買い物をしたことがあるだろうか? Amazonや楽天市場などは、PCサイトと携帯サイトの両方に対応しているので“PCでいろいろ比較検討し、注文だけは携帯で”ということもしやすい。では、携帯サイトだけで、モノ――例えば洋服とか香水とか――を買ったことはあるだろうか?

 おそらく、男性読者のほとんどは「携帯サイトだけを見て通販」ということはしたことがないだろう。しかし携帯ECサイト市場は、ほとんどの男性が知らないところで着々と伸びている。その顧客のほとんどは、若い女性だ。

2007年度 モバイルECランキング上位10社(集計期間 07年1月〜12月に迎えた決算期)

順位 サイト名(企業名) 売り上げ 対前年伸び率 決算期
1位 ベルメゾンネット(千趣会) 136億円 8.8%増 12月
2位 ニッセンのオンラインショップ(ニッセン) 99億円 21.8%増 12月
3位 ちびギャザ (ネットプライスドットコム) 70億1000万円 9月
4位 ONE☆FESTA 香水の百貨店 (シーエーモバイル) 53億円 70%増 9月
5位 DHCモバイルショップ(ディーエイチシー) 41億5900万円 7月
6位 オルビス・ザ・ネット(オルビス) 28億8700万円 125%増 12月
7位 ee-shopping.com (アイエストレーディング) 26億円 140%増 8月
8位 IMAGE net (イマージュ) 23億7500万円 14.9%増 2月
9位 マガシーク 22億円 3月(日流eコマース推定)
10位 FANCLモバイル(ファンケル) 18億700万円 147.4%増 3月

 このランキングは、日本流通産業新聞社の「日流eコマース 2007年度モバイルECランキング特集」から転載した、携帯ECサイトの売上上位10社だ。どのサイトも、顧客層は明らかに若い女性(F1層)である。ベルメゾン、ニッセン(参照記事)、イマージュ、マガシークの主力商品は女性用の洋服や小物下着などだし、ee-shopping.comが扱う商品はグッチやディオールといったブランド品。DHC、オルビス、FANCLは基礎化粧品を販売している。ちびギャザは共同購入という販売方式をとるサイトだが(参照記事)、ブランド品やダイエット商品など、やはり女性向けの商品を中心に扱っている。

 今回は4位の「ONE☆FESTA」を筆頭にさまざまな携帯ECショップを展開する、シーエー・モバイルにお邪魔した。EC担当の執行役員、向井克成氏との対談をお送りする。

広告、コンテンツ、ECの3事業

シーエー・モバイル執行役員、向井克成氏

吉田 今日はよろしくお願いします。まず御社の事業内容を聞かせてください。

向井 当社はモバイルを通して広告、コンテンツ、ショッピングを提供する3つの事業があります。2000年に博報堂出身の外川(編注:社長の外川穣氏)が広告代理店ではなくメディアを立ち上げたいと考え、着メロコンテンツや懸賞、待受画像を無料で提供するサービスを始め、そこに広告を掲載するメディア事業をスタートしました。

吉田 ネット通販はその後スタートされたのですか?

向井 コマース事業を始めたのは、1年後になります。前述のメディア事業で余った広告枠を収益化できないかと考え、そこで商品を売り始めたのがきっかけで、2つ目のビジネス、コマース事業がスタートしました。その後、3つ目の事業であるコンテンツ課金事業を始めました。

吉田 なるほど。最初に始めた広告事業が一番大きいのでしょうか?

向井 現段階では、3つの事業がそれぞれ約3分の1ずつの売上です。最近、市場の伸びと同様にコマース事業が伸びてきていますが、利益の面で言うと、コンテンツ課金事業が一番効率の良いビジネスでしょうか。

吉田 コンテンツ課金ビジネスはコマース事業と比べて圧倒的に原価率が低いですから、そうでしょうね。

向井 昔のコマース事業は規模が小さく、社内での立場もそれなりだったのですが、今は事業規模が大きくなったために、逆にヘンなことができなくなってしまいました(笑)。どっちが良いという話ではないんですが。

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