7月22日、モバイル・コンテンツ・フォーラムが主催する、モバイル業界の優秀なプロジェクトを称える「モバイルプロジェクト・アワード」の表彰式が、ワイヤレスジャパンが開催されている東京ビッグサイトで開催された。モバイルソリューション部門、モバイルハードウェア部門、モバイルプラットフォーム部門、モバイルコンテンツ部門の4部門で、計13プロジェクトが表彰を受けた。
モバイルソリューション部門は、最優秀賞をシャープの「名刺リーダー」、優秀賞をjig.jpの「jigムービー」、ロケーションバリューの「おてつだいネットワークス」、ソフトバンクモバイルの「XRoof」が受賞。
モバイルソリューション部門の最優秀賞を受賞したシャープの研究開発本部 斗谷充宏氏は、受賞の挨拶の中で、この名刺リーダーの構想が、シャープが2000年11月に世界初のカメラ付きケータイを発表した直後から立ち上がったというエピソードを披露した。当時はカメラが11万画素しかなく、CPUも遅くて実現するのは難しかったそうだが、ソフトウェアの研究ということで開発を始めたという。
「最初から妥協することなく、名刺の向き、横書き、縦書きなど関係なく、すべてを認識すること、名前にはフリガナをつけることなど、PC以上のことをモバイルで実現することを目指しました。問題は認識の速度とメモリーサイズでした。当初の読み取り速度は1分以上。それが、処理の高速化などにより10秒以内で読み取れる見込みができたため商品化することになりました」(斗谷氏)
現在も、使い勝手を含めた改良を進めており、これからもモバイルカメラの特徴を生かした製品の開発を行っていきたいとの抱負を話した。

シャープ 研究開発本部 斗谷充宏氏は「名刺リーダー」を2000年のカメラ付きケータイ登場時からその構想があったというエピソードを披露した(写真=左)。jig.jp 代表取締役社長 福野泰介氏は「jigムービー」について、「基本技術は2004年にできていたのですが、ようやくいろいろな方々に届くようになりました」と喜びを語った(写真=右)
ロケーションバリュー 代表取締役 砂川大氏は「お手伝いネットワークス」を「何かやりたいと思ったときにPCでなくケータイを使いたいと思うアプリケーションを作ろうとした」と説明(写真=左)。ソフトバンクモバイル プロジェクトリーダー 柴田暁穂氏は、Windows Mobileのインタフェースをケータイに近づけるためにXRoofを開発したとした(写真=右)モバイルハードウェア部門では、パイオニアの「エアーナビ AVIC-T10」とソフトバンクモバイルの「インターネットマシン 922SH」が優秀賞を受賞。パイオニア モーバイルエンタテインメントビジネスグループ事業企画部の千葉隆夫氏は、「受賞できたことは非常にうれしく思います。今回初めて、バッテリーを積んだモバイルのカーナビゲーションを開発しました。エアー・ナビを、通信を生かしてカーナビを活性化する製品にしていきたいと思います」と語った。
パイオニア モーバイルエンタテインメントビジネスグループ事業企画部 千葉隆夫氏は「エアー・ナビ AVIC-T10」について、ユーザーから渋滞情報を集め、それを還元していくサービスにも取り組むなど、ハードとソフトを連携させたサービスを推進しているとしたモバイルプラットフォーム部門は、NTTドコモの「緊急速報 エリアメール」と「iエリア−滞在国情報−(iエリア海外版)」、アクロディアの「VIVID UI」が優秀賞に選ばれた。
アクロディアの表取締役社長兼CEOの堤純也氏の代理として挨拶に立った佐藤氏は「ユーザーインタフェースは、いろいろな方々の頭脳をお借りして作っていただければと思っています。そのユーザーインタフェースを実現していただく場として、プラットフォームであるVIVID UIを利用していただきたいです」とプラットフォームの重要性を説明した。


NTTドコモ ソリューションビジネス部 課長 関貴司氏は「緊急速報 エリアメール」について「大変な思いをしたサービスで、仕組みをまったく一から作りました。無線方式、ネットワーク系のノードなどすべてに手を入れています」とその苦労を語った(写真=左)。NTTドコモ 国際事業部担当 課長 久保田敦紀氏は「iエリア−滞在国情報−(iエリア海外版)」で、「オリンピックにあわせて拡充を進めています。今後、ドコモのケータイを海外旅行の必需品にしてきたいと思います」とドコモの未来を説明した(写真=中央)。「VIVID UI」についてはアクロディア 佐藤氏が「これからも激励をいただきながら進化させたいと思っていますので、よろしくお願いします」と受賞のお礼を述べた(写真=右)モバイルコンテンツ部門の優秀賞は、グリーの「踊り子 クリノッペ」、サイバーマップ・ジャパンの「ケータイ国盗り合戦」、ソフトバンクモバイルの「ケータイ捜査官7 フォンブレイバー815T PB」、KDDIの「au Smart Sports」が受賞した。
踊り子 クリノッペは、グリー メディア開発部 荒木英士が「グリーで提供しているペットを育てるゲームなのです。単純にペットゲームではなく、SNSというコミュニケーションサービスの中で提供しているので、散歩中に近所の人と仲良くなるように、ペットを通じた人と人とのコミュニケーションを主体に開発しました。主役はユーザーだと思っています。いろいろ試行錯誤をした結果、ユーザーに愛されるサービスができました」と、サービスの楽しさを説明した。

グリー メディア開発部 荒木英士は「踊り子 クリノッペ」を「ユーザーの愛情に応えつつ、より楽しんでコミュニケーションできるサービスにしていきたいと思っています」と意気込みを熱く語った(写真=左)。「ケータイ国盗り合戦」を開発したサイバーマップジャパン 事業準備室 加藤隆志氏は「位置情報を使ったエンタメ的なサービスのリーダー的な存在でありたいと思っています」とサイバーマップジャパンの将来を語った(写真=右)
ソフトバンクモバイル マーケティング本部 由本昌也氏は「ケータイ捜査官7 フォンブレイバー815T PB」について、「私だけかもしれませんが、内蔵アプリなどをアップデートして、端末が陳腐化しない取り組みができているのはiPhoneとフォンブレイバー815T PBだけだと思っています」と開発チームの思いを説明した(写真=左)。「au Smart Sports」をKDDI プロダクト企画部 繁田光平氏は「スポーツするならケータイを持っていこうという世界が作れるように頑張っています」と、将来像を見せてくれた(写真=右)
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