旅行や観光スポット巡り、帰省など、夏は休暇を利用してクルマを使うことも多い。今回は(少し時期がずれてしまったが)「iPhone 3G」をクルマでどう使えるかを試した。
クルマで、iPhone 3Gは何ができるか。
まずは「通話」。これは携帯電話なので当然だ。このほか「音楽再生」と「動画再生」、そして「ナビゲーション」などがある。ナビゲーションは道案内以外に飲食店などの情報検索や何らかのコミュニケーションツールとしても利用できるだろう。まずは「通話」から検証していきたい。
まずは通話環境の確保。運転中は「端末を手で保持して行う通話」が御法度なので、ハンズフリー機器が必要だ。
iPhone 3GはBluetoothを内蔵し、ハンズフリー(ヘッドセット)通話のためのプロファイルであるHFP/HSPに対応。Bluetoothを利用してハンズフリー通話が行える。有線タイプのハンズフリーキット(付属するイヤフォンマイクなども含む)も気軽に使え、かつ安上がりでいいが、せっかくなので今回はBluetoothで環境を整えることにする。
Bluetoothハンズフリー機器は小型のイヤーピース型や耳かけ型、ワイヤレス音楽再生(A2DP)にも対応するコントローラ型やペンダント型など、さまざまな機種がある。ハンズフリー用として販売されるものならほぼすべての機種で対応すると思うので、好みのものを選ぶとよいだろう。
今回はプラントロニクスの「Discovery 925」(1万7800円前後)、ドコモ純正オプションの「Wireless P01」(6800円前後)、Jabra「BT3030」(8980円前後)を用意した。ちなみにiPhone 3Gはワイヤレスステレオ音楽再生用プロファイルのA2DPには対応しない。音楽再生については別途取り上げる予定だが、これがあればもっと便利にクルマで使えるのにと思うと残念だ。
基本的にiPhone 3Gは“受け身”。Bluetooth機能はオン/オフしか制御できない。ペアリング作業は機器側で行い、iPhone側で行うのはBluetoothパスキーの入力くらいだ(Bluetoothヘッドセット機器のパスキーは0000であることが多い)。一度ペアリングを済ませておけば、機器の電源を入れるだけで自動的にiPhoneと接続してくれる。
これらはもちろんBluetoothハンズフリー機器として問題なく使用できた。クルマで実際に使ってみると、物理的なケーブルがないイヤーピース型や耳かけ型の印象がよかった。Discovery 925は重量8グラムの小型軽量ボディとやさしく耳にフィットするイヤーピースにより、装着時の違和感がほとんどないのがいい。着信応答も、最も大きな本体中央のボタンを押すだけの単純作業でOKだ。
Wireless P01やBT3030は、好みのイヤフォンを使用できるメリットがあるものの、装着するのは片耳だけとなるiPhoneのハンズフリー用としてイヤフォンそのものは格段にこだわる箇所でない。時に耳から下がるケーブルが顔に当たるなど、多少の違和感を覚えることもあった。これらは、仮にiPhone 3GがA2DP/AVRCPによるワイヤレス音楽再生に対応していたなら別の利用シーンも大いに想定できるので、評価は大きく変わっていたと思う。
これとは別に、Bluetooth携帯を数年前から所持していた筆者はBluetooth内蔵のカーオーディオ機器「DEH-P810」(パイオニア製CDヘッドユニット)をクルマに設置している。DEH-P810とiPhone 3Gの組み合わせで、運転中におけるハンズフリー機器のバッテリー切れの心配はなく、着信があると1秒後(秒数は任意設定可能)に自動フックしてくれるので、ステアリングから手を離さずに着信応答できる。
相手の声はクルマのスピーカーから、自分の声はサンバイザーにクリップ留めしたマイクで拾う仕組みで、助手席の人と会話するような自然な感覚で通話できるのがポイント。着信があると再生中の音楽を自動消音、終話すると音量を復帰してくれるのも便利だ。
ちなみにBluetooth機器は基本的に、ペアリング済みであればエンジンをかけると自動的に接続してくれる(蛇足だが、同じくBluetooth対応の「P905iTV」は自動接続してくれず、いちいち接続作業をしなければならないのが面倒)。
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