“携帯はあくまで仕事道具”と機能ありきで買ったのに──「P902iS」ITmediaスタッフが選ぶ2006年のベスト端末(編集部岩城編)

» 2006年12月25日 14時58分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
順位 端末名 概要
1位 P902iS ME Bluetoothワイヤレスミュージック、カスジャケ、ワンプッシュオープン
2位 705T ミュージックコンソール、2インチQVGA液晶、ガチャピンケータイ
3位 W44S ワンセグ+デジタルラジオ、3インチ液晶、ヒンジ

なにはなくともBluetooth──「P902iS」

photo パナソニック モバイル製「P902iS」。ブラック×スモークブラック、レッド×クリムゾンドット、ホワイト×スノーミストの3色を用意する

 私の物欲はどうもあまのじゃくな傾向なのか。日本語変換を含めた操作感やカメラ機能はそれほど優れてはいないし(※P903iでかなりよくなりました)、形状も「P900i」当時から大きく変わらない、いわゆる“P”っぽさを継承する「P902i」と「P902iS Music Edition」を2006年は好んで長く使った。

 その理由は「Bluetooth」である。

 P902iS Music Editionはペアリング済みのBluetoothレシーバーが標準で付属するモデルだ。今年は「携帯で音楽」が一般的となったが、そもそもすでにiPodを使っていること、外部メモリ1〜2Gバイトほどの容量ではそれほどたくさんの曲を入れられないこと、転送に時間がかかること、音楽を聴く時だけカバーを開け、角形−丸形イヤフォン変換端子とともにイヤフォンを“差さなければならない”作業が面倒などと常々感じていたことから、私にとって「携帯で音楽」はそれほど重要なポイントではなかった。それはイヤフォンを“繋ぐ”必要がない本機でも同じ。

 ではなぜMusic Editionにしたのか。キャンペーン中だったためか、通常版と1000円しか価格差がなかったからにすぎない。申し訳ありません。

 というわけで、Bluetoothの機能はワイヤレス音楽再生が行える「A2DP」より、ダイヤルアップ接続を行う「DUN」と、ハンズフリー通話を実現する「HFP」をよく使った。ノートPCを常時携帯し、外出先でもネット環境を常に確保しておきたいと考える私にとって、無線LAN対応の喫茶店が近くにない場合や、PHS通信の遅さが耐えられない場合にあって、そこそこ高速なFOMA+Bluetooth通信は大変重宝している。


photo クルマ+Bluetooth対応カーステ+Bluetoothケータイ

 もう1つはハンズフリー機能。こちらは車での使用に役立った。カー用品店にはハンズフリーキットが数多く売られているが、それらをさしおいて、パイオニア製のBluetooth対応のCDヘッドユニット「DEH-P810」(関連サイト参照)を買ってしまった。同社1DINユニットの最上位機種「DEH-P910」がほぼ同価格であるのに、プレーヤーとしてのスペックが中途半端なDEH-P810を選んだのは、Bluetooth+P902iSの存在があったから。

 P902iSとDEH-P810の組み合わせにより、着信するとオーディオ音量が自動的に消音し、1秒後(秒数は設定可能)自動的に始話。そして終話後のオーディオ音量復帰まで、ステアリングから手を離さずに行える。(iPodアダプタ「CD-IB10II」の使用でiPodと連携できるのでほとんど使わないが)A2DPにも対応し、P902iS内にある楽曲をワイヤレス再生することもできる。

 ただしP902iSは、ペアリング済みであっても車に乗るたびに接続する作業が発生するのが大きな不満。auの「W44T」やソフトバンクモバイル端末(905SH911SHなど)はBluetooth通信可能範囲にあれば自動的に接続してくれるのでなおさらだ。なお、現在使用する「P903i」でもそれは実現できていない。


“ガチャピン”……実はそれしか覚えていないが──「705T」

photo “ガチャピンケータイ”こと、705Tのラッスルグリーン

 あぁ「ガチャピンケータイ」。このインパクトは忘れられない。

 ソフトバンクモバイル(当時ボーダフォン)の2006年夏モデルとして登場した東芝製端末「705T」のラッスルグリーン+ガチャピン変身キットのこと。

 705Tは“開くと3G携帯、閉じると音楽プレーヤー”というコンセプトで、ディスプレイを閉じたまま各種音楽操作が行える「ミュージックコンソール」の搭載が特徴。バブルガムをイメージしたというラッスルグリーンのほか、Samantha Thavasaとのコラボレーションモデルとなったスプラッシュピンクとシックなアーバンブラックを用意するように、そもそもかなりポップな印象を受ける端末だった。

 そんな中、“ふとガチャピンの出っ歯が浮かび、思わず作っちゃいました”ときたもんだ。しかも、キットの完成を祝してガチャピン“本人”が1日店長を行ったボーダフォンショップ渋谷店(当時)はすごい人だかりで、改めてこのお方の持つ魅力に驚いた。

 ……実はそれ以外にどんな機能を持っていたかほとんど覚えていない。でも、そういう端末が1つはあってもいいではないか。2005年発売の“ブル”もそうだったが、あえて狙った遊び心、これもグッと来させる要因の1つだとしみじみ思う。


近年、これほどデザインへの意見が分かれる端末はあったか──「W44S」

 最後は、最近愛用しているソニー・エリクソン・モバイル製の「W44S」。まだ出たばかりなので3位に留めたが、私はこのデザイン……というよりその機構そのものに一目惚れしてしまった派である。

photo
photo 縦/横どちらへも開ける「デュアルオープンスタイル」を採用したソニー・エリクソン・モバイル製「W44S」
photo ゲームを横向きで。かなり操作しやすいのである

 “あのヒンジ”は邪魔か。確かに邪魔な場所にあり、うるさいくらい見た目で自己主張している。しかし使ってみるとそれほど邪魔には感じないから不思議だ。

 テレビ以外に横向きに使うか? 確かにあまり使わない。特に横向きで起動したau Media Tunerからシームレスに選局できるようにした「EZチャンネルプラス」の存在理由がうまく理解できない。リストメニューは横向きで表示されるが、番組そのものは縦向き用に作られたものがほとんど(とりあえず、購読しているLISMO Channel、着うたランキングプラス、EZ Today'sウォッチプラスは、今まで縦向き用しか見たことがない)のようで、メニューだけ横向きであってもなぁと思っている。

 また一般メニューや機能も、ディスプレイを横向きにしたらUIと操作系含めて横位置で操作できるようにしてほしいと、使っていると要所で思う。最近楽しんでいる「EZブック」で購入した小説なども、縦ではなく横スタイルで読めるともう少し使いやすくなるのだが。

 ただ、横向きワイドのW44S専用となるプリインEZアプリ「AND1バスケ」はなかなか新鮮でおもしろい。左手で十字キー、右手でボタン操作──なんとなくニンテンドーDSのようなスタイルで楽しめるからだ。ワイドディスプレイだけに、PSP用タイトルなどが移植されるならば確実にいろいろ買いあさってしまいそうだ(そのまま動かすことなどできないだろうが)。


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