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» 2008年09月11日 15時14分 公開

ビジネスケータイ後進国・日本を目覚めさせるのは誰だ?神尾寿の時事日想・特別編(2/2 ページ)

[神尾寿,Business Media 誠]
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 熱く語りかけただけではない。孫氏はプレゼンテーションの最後に、イベント参加のお礼として1社あたり最大5台のiPhoneを3カ月間完全無料で貸与するモニターキャンペーンを実施すると発表。すでにソフトバンクグループの営業担当が付いていることが条件であるが、貸与中の3カ月間は基本料のみならず、通話料・通信料も一切取らず、「ビジネスでiPhone 3Gを使うと、どう世界が変わるのか。それを実機で体験してほしい」(孫氏)と強調した。

1社に5台ずつ、iPhoneを3カ月間無料貸与すると約束(Creative Commons) BY: Nobuyuki Hayashi

「ビジネス向けらくらくホン」になれるか

 各キャリアの幹部や関係者と意見交換をすると、最近しばしば話題に上るのが、「法人市場向けのらくらくホン」の必要性だ。これは“シルバー世代向けの端末が必要”という意味ではない。らくらくホンは“最新の機能やサービスを誰にでも使いやすく”するというコンセプトで作られた優れたプロダクトであり、デジタル機器の操作に苦手意識を持っていたシルバー世代に対して、「電話」機能だけでなく、「メール」や「地図サービス」、「iチャネル (コンテンツ配信)」などデータサービスの利用促進にも成功した実績がある。コンシューマ市場とまったく異なる特性を持つ法人市場で、新たにデータサービス市場を立ち上げるには、“新しい機能やサービスを誰にも使いやすくする”という、らくらくホン的なコンセプトの利用環境が必要なのだ。

 翻ってみると、今の法人向けモバイル市場は「電話」以外のデータサービスを、すべてのビジネスパーソンにとって使いやすくする試みの道半ばである。特に生産性の拡大に大きく寄与する、スマートフォンのビジネス活用では、この分野の「らくらくホン」と呼べるような優れたUIを持つ製品やサービスは登場していない。

 iPhone 3Gも単体では“ビジネス向けらくらくホン”にはなりえないが、柔軟性の高いタッチパネルと、ソフトウェアおよびサービス連携の応用性の高さは注目に値する。今後のソフトバンクモバイルの努力や、パートナーとなるSIerがどれだけ増えるかにもよるが、うまくいけば“使いやすさ”で法人向けデータ市場に火をつける可能性があるだろう。

 iPhone 3Gを軸に据えたソフトバンクモバイルの法人向けデータ市場創出の取り組みに対して、他キャリアの法人戦略ではどのように対応するのか。注目を持って見守りたい。

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