インタビュー
» 2008年10月06日 17時27分 公開

海外携帯メーカーが話す「日本市場の難しさ」──Samsung電子に聞く、OMNIAの「日本発売と日本戦略」(2/3 ページ)

[山根康宏,ITmedia]
photo タッチパネルディスプレイとタッチUIを備える「OMNIA」(左)と「iPhone 3G」(右)

ITmedia 例えば「iPhone」など、他社からタッチパネルディスプレイやタッチUIを搭載する端末が続々登場しています。これをふまえて、他社製品と比べた御社の強みはどこにありますか。

オウ氏 弊社のものづくりのポリシーの1つとして、「世界最高」や「世界初」の製品を作っていこうという思想があります。しかし、すべての技術や機能において実現するのはなかなか難しいものです。もし、他社が弊社より先に優れた技術を開発したならば、弊社はそれを超えた、ユーザーにとってよりよいものを開発していこうという意識があります。

 すなわち、単なる他社のまねや後追いではなく、ユーザー側に立って他社より優れたもの、より完成度の高いものを作り上げていきたいと常に思っています。OMNIAやHapticのTouchWiz UIはその1つの例といえます。使いやすいタッチUI端末はAppleが作りましたが、弊社はこのタッチUIのトレンドそのものも作っていきたいと考えています。

ITmedia さて、OMNIAないし相応の端末を日本市場でも発売する予定のようですが、OMNIAのような端末を日本市場向けに発売する真意はどこにあるのでしょう。

オウ氏 まずOMNIAを日本市場で発売するかどうかという話の前に、弊社の日本市場向け戦略をお話ししましょう。弊社は海外市場向けに優れた製品を多数販売していますが、日本の携帯ユーザーの皆様にも弊社端末のよさをぜひ体験してほしいと考えています。常に日本でも認められるメーカーになりたいという気持ちを持っています。

 過去、海外向けとして成功したグローバルモデルを日本語ローカライズした製品を投入したり、世界最薄のモデルなどを日本市場に投入しました。しかし、携帯電話は特に消費者に身近な存在であり、毎日使うものです。電化製品でありながら、その国の文化の影響を大きく受ける製品でもあると考えています。つまり、他国では受け入れられたからといって、そのまま日本で受け入れられるとは限らないのです。

 日本の携帯ユーザーに認めていただくためには、日本の携帯文化に適合しつつも、弊社のよさや強みを発揮できる端末を投入する必要があると感じています。この一環として「PHOTOS 920SC」以降は、グローバルデザインではなく日本ユーザーの嗜好に合わせたデザインにもチャレンジしています。ただ、Samsung電子らしさをアピールできる、特徴を持った製品でなくては日本市場においては日本の携帯メーカーとの競争に勝つことはできません。

 では、日本市場でも受け入れられる製品が弊社のラインアップにあるのか。あるいは日本市場向けに新規開発する必要があるのか。これらを考えてみると、OMNIAやHapticのような製品ならば、日本の携帯ユーザーにもその先進性や使いやすさを十分アピールできるものになると思っています。

ITmedia では、日本向けのOMNIAは海外版と同様の「Windows Mobile搭載スマートフォン」になるのでしょうか。あるいは韓国のHapticのような御社の独自OSを搭載したいわゆる「ハイエンドケータイ」になるのでしょうか。

オウ氏 日本でのOMNIA発売が正式に決まったわけではないので、そもそもどちらだ、という回答はできないのが実情です(笑)

 仮に、発売するとしましょう。そうなると、日本のユーザーが何を求めているか、どのような使い方をするのかなど、ユーザーニーズに見合った製品にしないと魅力は決して伝わりません。海外市場向けのOMNIAは、マルチメディア用途とともにビジネスユーザーを主なターゲットとしているため、Windows MobileをOSに採用したスマートフォンとして製品化した経緯があります。

 一方、日本では(プッシュ配信式の)メール機能が重要な機能の1つと考えています。独自仕様の絵文字への対応も必要で、さらにコミュニケーションツールや情報検索用途として、通信キャリアのサービスに完全対応することも必須でしょう。さらにはワンセグ機能の搭載やVGAクラス以上の高解像度ディスプレイも求められます。

 というわけで日本市場向けの製品となると、これらの機能をしっかり搭載できる最適なOSを選択することになるでしょう。

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