5800XMの本体サイズは111(縦)×51.7(幅)×15.5(厚さ)ミリで、よくある海外製ストレート型端末のサイズに近い印象。最近はタッチパネル端末が増えているが、本体サイズが若干大きく片手で操作するにはやや難点があるものもある。その点、5800XMは普通のケータイと同じ感覚で片手で自然に操作できるのが大きな特徴といえる。3.2インチワイドの全面タッチパネルで、指やスタイラスペンで操作可能。通常の利用であれば指だけでも満足に操作でき、タッチパネルの反応はほどよく良好だ。
使ってみてまず便利に感じたのは、右側面にあるスライド式のキーロックスイッチ。よくある単純な構造ではあるが、5800XMを右手で持つと、ちょうどこのスイッチに親指が来る。何も考えず、自然に操作できる絶妙な位置がなんとも心地よい。
そして、手書き文字入力機能。なんと日本語も入力できるのだ。もちろん、あくまでも中国語の漢字手書き入力の中にひらがなとカタカナが含まれるという程度のもので、文字を正しく認識させるには多少の慣れを必要とするが、日本市場を想定しない海外端末で日本語が標準で利用できるのはやはりありがたい。なお、漢字を含む日本語受信メールも(文字コードがUTF-8なら)問題なく表示できる。
カメラは320万画素でカールツァイスレンズを搭載。日本市場向けのNokia製端末「X02NK」や「Nokia N82」と同様に、デジカメに迫る画質で写真が撮れる。このほか動画や音楽の再生も、5800XMはSymbian OS S60搭載のスマートフォンだけに多くのファイルフォーマットに対応する。
このように片手で簡単に操作可能で、日本語にもそれとなく対応。そしてマルチメディア機能に優れることから、5800XMは(年間に端末を約100台購入するにも関わらず)買ってわずか数日でメインで利用する端末になった。当初は音楽や動画プレーヤーとして使うためのサブ端末にするはずだったが、それを覆すとはさすがはNokiaが本気で開発したタッチパネル端末だとあらためて思う。筆者のようなNokiaの熱狂的ファンはもちろん、タッチパネル端末を買おうと考えているすべて人に「まずは試してみて」といえるオススメの1台である。
製品名 | Nokia 5800 XpressMusic |
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本体サイズ(高さ×幅×厚さ) | 111×51.7×15.5ミリ |
重量 | 109グラム |
通信方式 | HSDPA(W-CDMA 900M/2100MHz)、GSM(850M/900M/1800M/1900MHz)、無線LAN(IEEE 802.11b/g) |
ディスプレイ | 360×640ピクセル 3.2インチワイドタッチパネル液晶 |
カメラ | 320万画素 カールツァイスレンズ、デュアルLEDフォトライト |
サポートメディア形式 | 音楽:MP3、AAC、AAC+、eAAC+、WMA、SP-MIDI 動画:MPEG-4、3GPP、WMV |
主な機能 | マルチメディアプレーヤー、A-GPS、外部TV出力機能(3.5ミリピンジャック搭載)、microSDスロット(microSDHC対応)、HTMLブラウザ、加速度センサー、Bluetoothなど |
購入日 | 2008年11月29日 |
購入価格 | 3980香港ドル(日本円換算:約4万7000円) |
一言 | Nokiaの意気込みが伝わるタッチパネル端末。使い勝手が秀逸で、もう最高 |
物欲満足度 | ★★★★★ (5段階表示) |
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数は500台以上。
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