音声端末をPCのモデムにすることは、わずかな利用でもパケット通信料が高額になるためいわいるパケ死の危険性が伴う。もちろん、イー・モバイルやウィルコムのようにPC接続しても定額の対象というキャリアもあるが、一般的に普段使いの音声端末モデムにするのは、緊急用の手段といっていいだろう。
しかしNTTドコモは、4月から「パケ・ホーダイ ダブル」を契約しているユーザーに限り、PC接続しても上限月額を1万3650円にするという。まだまだ高額だが、基本料金や通話料を加算しても現実的な金額になったといえる。
そこで、「F-01A」をBluetoothモデムとして利用する方法を試してみた。F-01AはDUNにも対応しており、下り最大7.2MbpsのHSDPA通信や64kbpsデータ通信などのダイヤルアップ接続をPCからワイヤレスで利用できる。なお、USB接続ケーブルでつなげば、有線で同様のことが行える。
本来であれば、本体の標準セットに添付しているCD-ROMからインストールできる「ドコモ コネクションマネージャー」を利用するのがお勧めだが、今回は同じCD-ROMからインストールができる「FOMA PC設定ソフト」を利用した設定方法を紹介する。Windows Vista Businessを使って説明するが、Windows XPでもほぼ同様の手順で設定が可能だ。
F-01AをBluetoothモデムにするには、PCとのペアリング時に「ダイヤルアップ登録待機」状態にする必要がある。両方でパスキーを設定すると(しなくても接続できるが、セキュリティ上パスキーの設定をお勧めしたい)、PC側に必要なドライバがインストールされて、ダイヤルアップモデムとして利用可能になる。

ペアリングする際に、F-01A側のプロファイルでDUNを選ぶ(写真=左)。PC側からペアリングをする場合は、F-01Aを「ダイヤルアップ登録待機」状態にしておく必要がある。ベーシックメニューであれば、[MENU]キー→[6]キー→[*]キー→[5]キーで待機状態にする(写真=右)次にダイヤルアップ用のエントリーを作るのだが、FOMAパケット通信を使う場合、本体に接続先のAPN(Access Point Name)を事前に登録しないと接続できない。APN設定は、端末にはあらかじめ、ドコモの「mopera」「mopera U」用のプロファイルが設定されているが、それ以外のISPに接続するには「FOMA PC設定ソフト」を用いてAPN設定を書き込まなくてはならない。
ただしこのPC設定ソフトは、USBケーブルで接続することを前提に作られており、Bluetooth接続したときには、自動的に携帯電話機を検出できない。そこで、デバイスマネージャからF-01Aらしい項目を見つけて、手動設定する必要がある。
端末にAPN設定を書き込むための「FOMA PC接続設定ソフト」はBluetoothモデムとして接続している場合は自動で端末を検出しない。これは、F-01A以外のBluetooth搭載端末(FOMA)でも同様だ。手動でBluetoothモデムの所在を設定する必要がある具体的には、デバイスマネージャの「モデム」項目からBluetoothモデムらしいデバイスを見つけてダブルクリックする。筆者の環境の場合は、「Bluetooth リンク経由標準モデム」だった。ダブルクリック後に現れるプロパティウィンドウの「モデム」タブをクリックし、一番上段の「ポート」の横にある「COM」の値をメモしておこう。
FOMA PC設定ソフト起動後に、メニュー→通信設定を押すと、「通信ポート設定」の画面となるので、「COMポート指定」を選んで、メモしたCOM値を入力する。すると、オート設定、マニュアル設定のどちらでもAPN設定を取得できるようになる。その後、接続先から提供された接続先情報をF-01A側で登録して、ダイヤルアップ用のエントリーを作れば、これでダイヤルアップ接続できれば設定は完了だ。


デバイスマネージャーで、Bluetoothモデム機能が使っている通信(COM)ポートを調べて、「FOMA PC接続設定ソフト」に手動でポート番号を入力すると、Bluetooth経由でもAPN設定が可能となる繰り返しになるが、音声端末でPCのデータ通信をすることは料金的に非常に高価なこともありあまりお勧めできない、しかし、緊急時にケーブルなしでインターネットにダイヤルアップ接続できるのは便利だ。いざというときにBluetoothモデムとして使えるよう、事前に用意しておくといいのではないだろうか。
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