“フルスペック防水ケータイ”として登場し、端末の販売ランキングでも発売直後から上位に顔を見せることも多いNTTドコモの富士通製端末「F-01A」。ロードテストの初回は、富士通端末として待望のBluetooth機能に注目し、ハンズフリー環境で通話と音楽再生を利用してみた。
F-01Aが搭載するBluetoothは2.0+EDRで、対応するプロファイルはDUN/OPP/HSP/HFP/A2DP/AVRCPだ。具体的に何ができるかというと、DUNはダイヤルアップネットワークを構築するプロファイルでF-01Aを外部モデムにしてBluetooth対応のPCからネット接続が行える。OPPは端末内のデータ(アドレス帳)をPCへ転送。HSPとHFPはハンズフリー通話、A2DPはミュージックプレーヤーなどの音声を、ワイヤレスで聞くためのもの。AVRCPはマルチメディア機能のコントロールを受け付けるプロファイルだ。
さて、F-01Aに限らず防水端末の多くは、本体の開口部を少なくするために外部接続端子に平形ヘッドフォン端子を統合している。これは極薄端末でも部品を少なくするために行なっている方法だ。
そのため、従来のケータイ用イヤフォンマイクは直接接続できず、ドコモ純正の変換アダプタである「外部接続用イヤホン変換アダプタ」か、外部接続端子に直接接続できるイヤフォンマイクを別途用意する必要がある。
純正の外部接続用イヤホン変換アダプタは、充電しながら音楽をイヤフォンで楽しむことはできない。本来ケータイを充電している時は何も操作しないほうがバッテリーにはいいのだが、どうしても“充電しながら音楽を楽しみたい”という場合は、卓上ホルダを使うか、充電と音声出力の同時接続が可能なサードパーティー製の変換アダプタが必要になってくる。
このように、F-01Aに有線のイヤフォンマイクやヘッドフォンを装着すると、従来の端末よりも(変換アダプタの分だけ)かさばってしまう。また、防水性能のことを考えると、頻繁に端末キャップを開閉するのも気がひける。もちろん、通常の開閉で防水性に問題がでることはないが、外部接続端子を使用中にF-01Aを水没させてしまうと、いかに防水ケータイでも故障は免れない。“防水”のままF-01Aでハンズフリー通話や音楽をたのしむなら、Bluetoothを利用するのが一番だ。
F-01Aでハンズフリー通話するには、HSP/HFPに準拠したヘッドセットやカーナビなどが必要だ。通話音声はもちろんだが、着信音もBluetooth機器から鳴らせる。また、HFPで接続した場合に限って、伝言メモ音声の再生にも対応している。
端末とBluetooth機器を初めて使う際には、ペアリングと呼ばれる接続操作が必要だ。端末に接続したいデバイスを待受状態にして機器を端末に登録し、利用するプロファイルも設定する。あとは電源を入れることでお互いが接続できるようになる。
端末での通話とBluetoothデバイスでの通話の切り替えは、HSPプロファイルで接続している場合はBluetoothデバイス側からのみ行える。HFPプロファイルで接続している場合は、端末とBluetoothデバイスのどちらからでも切り替えられる。
ミュージックプレーヤーで再生した音楽をワイヤレスで聞くには、A2DP準拠のBluetoothデバイスが必要だ。さらにワンセグ音声を聞くには、機器が著作権保護技術のSCMS-Tに対応している必要がある。HSPとHFPしかサポートしない機器では利用できないので、注意が必要だ。
F-01Aのミュージックプレーヤーは、A2DPプロファイルでペアリングした機器が接続すると自動で起動する機能があり、非常に便利だ。ただし、音楽再生のエフェクトや音量調整については、Bluetooth再生時には無効となる。音量調整は、手元のBluetoothデバイス側で行おう。
さらにF-01Aは、AVRCPによるリモート操作にも対応している。Bluetoothデバイス側にリモート操作ボタンがある場合、ミュージックプレーヤーやワンセグの操作を手元で行える。ミュージックプレーヤーに関しては、バックグラウンド動作中でも、リモコン操作を受け付けてくれる。
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