特徴機能をさらに強化し、市場に活気を取り戻す──シャープ 大畠氏(1/3 ページ)

» 2009年05月29日 00時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 シャープは5月27日、2009年夏モデルのラインアップ12機種を一堂に会した携帯電話事業説明会を開催。シャープが現在行っている通信事業に関する取り組みや方針、この夏の新モデルのポイントなどを紹介した。

Photo シャープ 執行役員 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏

 説明会に登壇した執行役員 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は、4月の人事異動で携帯電話事業を担当する通信システム事業本部長に就任した人物。2008年9月から2009年3月までは、中国向け携帯電話事業の陣頭指揮を執り、立ち上げたばかりの中国向け事業の拡大に貢献してきたキーパーソンであり、その前はMebiusやZaurus、W-ZERO3やSidekickなどのスマートフォンを手がける情報通信事業本部長という経歴を持つ。スマートフォンも携帯電話も知る人物がシャープの国内向け携帯電話事業のトップに就任したわけだ。

 ちなみにウィルコムやイー・モバイル向けに供給しているスマートフォン(通信融合端末)事業や海外向けの携帯電話事業は、パーソナルソリューション事業推進本部が受け持つ。こちらは今矢明彦氏が本部長を務める。パーソナルソリューション事業推進本部は、これまでスマートフォンや海外向け携帯電話事業を担ってきた移動体通信事業本部と、PCや電子辞書、電卓、電話、FAXなどを扱っていたパーソナルソリューション事業部が統合した部署で、光センサー液晶を搭載したMebius「PC-NJ70A」を開発したのと同じ部門。今後は国内向けを通信システム事業本部が、海外向け及びスマートフォンはパーソナルソリューション事業推進本部が受け持ち、それぞれの市場への対応スピードを速めていくという。

PhotoPhoto 金融不況に端を発した世界的な経済の減速の影響で、携帯電話市場の成長にもブレーキがかかったと大畠氏。そんな状況下でもシェアを拡大し出荷台数を伸ばすべく、新しい組織体制で市場動向に即して対応していくという

需要創造型の商品で市場に活気を取り戻す

Photo 市場に活気を取り戻すべく、2009年夏モデルは3キャリアに12のモデルを投入する。

 2008年度は、新販売方式の導入にともなって需要が減退し、買い換えサイクルが長期化した。端末の出荷台数は通期で約3500万台と、5000万台以上の出荷があった2007年度から一気に3割以上も落ち込んだ。さらに経済環境も悪化したことから、端末メーカーは携帯電話が売れない中で、厳しい戦いを強いられた。

 しかしシャープは、2009年度にはある程度端末の販売台数が回復すると予測。中国など海外への展開も含め、需要創造型の商品を開発し、市場に活気を取り戻したい考えだ。

 「2008年度の出荷台数は大きく減ったが、一方で、年明け以降は店頭で一部の商品が品切れするなど、いい兆しもあった。キャリアさんから追加発注をいただいたモデルもあり、ご要望に応えるべく対応している。携帯電話の需要には底入れ感がある。夏以降はユーザーニーズにマッチした商品を提案していくことで、難局を乗り切るだけでなく、市場全体を活気づけたい」(大畠氏)

 大畠氏は、環境の変化や経済の悪化を背景に、ユーザーのニーズも変化していると指摘する。従来は、ハイエンドモデルに人気が集まる傾向があり、市場の約半数がハイエンド、35パーセントがミドルレンジ、15パーセントがローエンドという構成だったが、現在はハイエンドが35パーセント、ミドルレンジが45パーセント、ローエンドが20パーセントと、売れ筋の中心がミドルレンジからローエンドにシフトしてきているという。

 これは、新販売方式により端末の見た目の価格が上昇し、特にハイエンドモデルで、新しい製品を購入するために、これまでよりも高いお金を払わなくてはならなくなった一方、ミドルレンジやローエンドのモデルは、数年前のハイエンドモデルを軽く超える機能を持つ製品も多いことが原因だと大畠氏は言う。

PhotoPhoto 2008年度は約5000万台あった国内の携帯電話市場は、新販売方式の影響などにともなって3500万台まで一気に冷え込んだ。またユーザーの嗜好はハイエンド中心からミドルレンジに移りつつある。シャープはユーザーがどんな端末を望んでいるのかに注視しながら端末を開発していく考え

 「価格差が明確になったことで、ユーザーのニーズはミドルレンジやローエンドにシフトしている。今後はニーズの変化をきっちりとつかんだ商品を提案していく。このユーザー目線に注視しながらの商品作りが、市場での大きなポイントになると考えている」(大畠氏)

 こうしたことを踏まえ、2009年度は「グローバルな視点とユーザー目線で商品力を強化する」と大畠氏。特徴のある独自機能をさらに強化しつつ、ユーザーに新たな価値を見いだしてもらう商品を提案して競争力とし、リーズナブルな中にもきらりと光るポイントを盛り込んでいくという方針を示した。

Photo 市場に活気を取り戻す商品を展開するのが2009年の目標
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