10MピクセルCCDカメラやソーラーパネルのほかにも、いくつか独自の機能を用意した。その1つがAQUOSブルーレイとの連携機能だ。USBケーブルで対応端末の「SH-07A」「SH-06A」「SH-05A」とAQUOSブルーレイ(BD-HDW40/35/32)を接続すると、AQUOSブルーレイ側で録画したケータイ向けの高画質映像(640×360ピクセル/秒間30フレーム)が短時間で転送され、端末側でワンセグで録画するよりも美しい映像が楽しめる。一部他のメーカーでも用意している機能だが、家電との連携は、強力なブランドを持つシャープとしてみれば、当然目指す方向の1つだろう。
またカーナビ連携機能として「フォトリモ@ナビ」を実装した点にも注目だ。フォトリモ@ナビは、iMapFan上で取得した位置情報を、携帯電話を操作することなく対応カーナビに転送できるのがポイントのサービス。対応カーナビとは事前にBluetoothのペアリング設定をしておく必要があるが、それさえしてしまえば、車に乗ったときに携帯電話に一切触れることなく目的地の設定などができてしまう。対応機種が増えてほしいサービスの1つだ。カーナビが得意な到着予想時刻などを、携帯電話を通してメールする機能なども使えるため、待ち合わせなどにも活用できる。
「mirumo 934SH」に搭載したメモリ液晶(Polymer Network Liquid Crystal)もシャープらしい独特の機能だ。省電力で常時表示が可能な大画面サブディスプレイには、一定の需要が見込まれ、時計やカレンダーなどとして携帯電話を活用したい人には注目の機能といえる。そのほか、防水端末も多数ラインアップし、携帯電話の故障原因の1つである「水ぬれ」が起こりにくくしているのもポイントだ。大畠氏は「防水はいまやケータイの標準機能として求められるもの」と話し、今後も防水ケータイのラインアップを拡充することを明言した。
2008年6月に「AQUOSケータイ SH9010C」を投入して以来、中国市場ではこれまで6機種34バリエーションを展開しているシャープ。およそ4000元(約6万円)暮らしのハイエンド機種からミドルレンジの機種までをラインアップし、販売台数を伸ばしている。2009年5月には、最新モデルSH9110Cを投入し、中国市場にはさらなる攻勢をかける計画だ。今後は1000元から2000元クラスの普及モデルにもラインアップを拡大していく。
大畠氏のリーダーシップのもと、シャープは2009年度に「5年連続シェアナンバーワン」そして「国内シェア30パーセント」を目標に掲げ、通信事業のV字回復を実現する構えだ。売り上げは4900億円、販売台数は1230万台(国内830万台、海外400万台)と堅めの予想しか出していないが、シャープ自身が「およそ3300万台程度」と予想する国内市場で、シェア30パーセントを実現するためには、1000万台以上の台数を販売する必要がある。欧米を中心に広がりが出てきているスマートフォン市場にも、広く展開していきたい考え。
大畠氏は「ケータイを取り巻く環境は大変厳しい。しかし、さらなるシャープらしさでユーザーにいい商品を展開していく」と宣言した。
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