microSDサイズの無線LANカード USB 2.0の赤外線ワイヤレス化――KDDIの新技術ワイヤレスジャパン2009

» 2009年07月22日 20時39分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 「ワイヤレスジャパン2009」のKDDIブースでは、夏モデルやiidaブランドの端末が展示されているほか、新技術のデモンストレーションも見ることができる。注目は、今回が初披露となるmicroSDサイズのケータイ向け無線LANカードと、7月14日に発表したUSB 2.0の赤外線ワイヤレス化技術だ。

microSDスロットを使ってケータイを無線LAN対応に

photo microSDサイズの無線LANカード。ミツミ電機製とアセロス・コミュニケーションズ製の2モデルが展示されていた

 今年の夏モデルはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3キャリアから無線LAN機能を内蔵した端末が登場した。無線LAN対応ケータイでは、自宅や公衆の無線LANアクセスポイントに接続して、高速なインターネットを楽しめる。

 今回、KDDIが公開した“microSD無線LANカード”は、携帯電話のmicroSDスロットにカードを差し込むことで、無線LANを内蔵していない端末でも無線LANを利用できるというもの。商用化の時期は未定としているが、会場にはミツミ電機製、ルネサステクノロジ製のカードが展示されていた。ミツミ電機製のカードに使用されているチップには、auの無線LAN対応モデル「biblio」に搭載したものと同じ、アセロス・コミュニケーションズ製の「AR6002GZ」が採用されている。


photo 展示されていた評価機。端末側は無線LANカードをSDIOとして認識する。現行機種への応用は、「デバイスドライバレベルでソフトをダウンロードしなければいけない」(説明員)ために難しいという

 無線LANカードはIEEE802.11b/gに準拠し、実測値で13Mbps程度の通信が可能だ。カードを搭載した展示端末を利用してみると、端末側の処理速度の限界もあって、PCと同等の“サクサク”感は得られなかったものの、携帯電話としては快適なブラウジングができた。なお、携帯電話向けに開発したものだが、PCに応用することもできる。

 遮蔽物のない環境なら、アクセスポイントから20〜30メートルほどの範囲内で利用できる。しかし、「自宅全体からアクセスできるというよりは、リビングなどの広い部屋の範囲で利用できるイメージ」(説明員)だという。microSDスロットに収まるコンパクトな無線LANカードでは「ゲインに限界があるほか、ダイバーシティ(複数のアンテナを使い感度を高める技術)を使うことができない」ため、広範囲化が難しい。

 カードはSDIOとして認識され、メモリ機能は備えていない。そのため、携帯電話に搭載した場合は、記録メディアが内蔵メモリのみになる。問題を解決する手段としては、ダブルスロットの採用なども1つの案として考えられるという。


赤外線でUSB 2.0をワイヤレス化

photo 変換機を取り付けた端末を、PCに接続されたクレードル型変換機に置くと、通信が始まった

 同社が開発を進める1Gbpsの高速赤外線通信技術を応用し、赤外線でUSB 2.0をワイヤレス化する技術も展示されていた。

 この技術は、USB信号を変換機で赤外線信号にすることでワイヤレス化を実現する。USB 2.0は、約1.5μ秒以内にデータの応答がないと接続が切れるが、電気信号と赤外線信号の変換にはそれ以上の時間がかかってしまう。この問題を解決する方法として、仮想USBホスト/デバイスを信号変換機に組み込み、USBが準備中であることを示すデータを擬似的に送ることで接続を維持し、ワイヤレス化に成功した。「USBのプロトコルなどを一切変更することなく、ワイヤレス化したことがポイント」(説明員)。携帯電話に限らず、デジタルカメラやポータブルオーディオなど頻繁にPCと連携する機器をスムーズに接続できるとしている。


photo システムのイメージ図
photo ワイヤレス化はUSBケーブルからの電力供給ができないなどのデメリットもあり、すべてのUSB機器がワイヤレス化に適しているわけではないとしている

 赤外線ポート間は10センチほど離れても接続ができる。デモンストレーションではPCと接続したクレードル型変換機の赤外線ポートに、携帯電話に接続した変換機の赤外線ポートを重ね合わせることで、接続を確立していた。理論値では200Mbpsの通信が可能で、実測値では100Mbps程の速度を確認しているという。

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