ビットワレットの主な収益源は、Edy加盟店がビットワレットに支払う手数料収入だ。つまり、Edyを使う人が増え、ユーザーがEdyで決済を行う回数や金額が増えるほど、ビットワレットの収益は増えることになる。このほか、クレジットカード会社や銀行などEdyを発行する事業者からが支払うライセンス料なども同社の収入となっている(下図)。
しかし、電子マネーが利用されるシーンは、コンビニや自動販売機など、単価が安いところが多い。一般に、コンビニが支払う手数料は、電子マネーで決済した金額の2〜3%と言われている。Edyが8月の1カ月間に利用された回数は約2500万件。発行件数やユーザー数が増えても、1回数百円の決済では、手数料収入は微々たるものだ。
Edy以外の電子マネーを運営する事業者は、みな本業がほかにあり、電子マネーを収入の柱には据えていない。例えばnanacoやWAONといった流通系電子マネーは、ポイント付与との合わせ技による自社チェーンへの顧客囲い込みがメインの目的である。またSuicaやPASMOといった交通系ICでは、電子マネーは乗車券の付加価値という位置づけだ。FeliCaを導入し磁気きっぷを減らすことで改札のメンテナンス費用を減らしたり、駅構内にある売店の売り上げが上がったり、という形のメリットがある。
他社の例を見ても分かるように、単価が安い電子マネー決済の利用手数料だけでは、事業者は立ちゆかない。ビットワレットでは今後、決済利用料のほかにどのような収益源を見込んでいるのだろうか。
「今後は情報ビジネス分野の収入を増やしていきます。マーケティングや販促・ギフト市場での利用促進ですね。例えばエコポイントをEdyに交換する申請が、7月1日から始まりました。エコポイントを商品に変えると端数が出ますが、これをぴったり受け取れるのはEdyくらいです。エコポイントをEdyで受け取るのは(交換の率も良いので)おすすめです。エコポイントがきっかけで、初めてEdyを使うユーザーが増えるのではないかと期待しています」(宮沢氏)
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