さて、2GのプリペイドSIMカードは空港で購入してすぐ使える手軽さがあるものの、通信速度はやはり低速だ。PCでデータ通信を行うなら、より高速な3G対応のプリペイドSIMカードを入手しよう。
3G対応のプリペイドSIMカードは(取材当時は)空港のカウンターでは販売されていなかったが、バンコク市内に出てしまえば比較的簡単に購入できる。例えば、前述したMBKセンターやPCショップの集まる「Fortune Town IT Mall」などがよいと思う。データ通信用のプリペイドSIMカードはPCとともに利用する製品でもあるため、PCを販売する店舗で売っていることも多い。
タイは、前述の通り複数の3G方式が混在している。このうちAISの900MHz帯はバンコクではサービスエリアがかなり狭いのでお勧めしにくい。一方、世界的に採用例の多い2100MHz帯を採用するTOTならば、今回使用するIDEOSを含め、海外で広く販売されているUSBモデムやスマートフォンの多くで利用できる。ひとまず3G対応プリペイドSIMカードは、TOTのものを勧めたい。
ただ、TOTキャリアブランドのSIMカードは販売店舗が少なく、やや購入しにくい。有効期限も長く、価格もやや高額だ。このため、TOTのMVNOのものを選ぶとよいだろう。こちらは1カ月や通信量1Gバイト以内といった短期利用向けとしてあり、海外渡航者に使いやすいプランとなっている。店頭でもこのMVNOのものが多数販売されている。
TOTのMVNO(i-mobile)プリペイドSIMカード用APN | |
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APN | internet |
ユーザー名 | (なし) |
パスワード | (なし) |
というわけで今回は、TOTのMVNOの中でも一番品質がよいとショップ店員が勧めてきた「i-mobile」のデータ通信専用SIMカードを購入することにした。価格は199バーツ(約540円)で、最大1カ月間、1Gバイト分まで利用できる(通信量はシーンや用途によって変わるだろうが、うまく使えば数日の滞在日程分は1枚でも足りると思われる)。残高確認は端末から「*153#」に発信する。APNは右記の通り。ちなみにTOTの他MVNOもAPN設定は同じとのことだ。
通信速度の差は歴然だ。ノートPCで計測すると、下り2Mpbs以上と普段使うにはまったく困らないほどの速度が出た(2GのEDGEでは100kbps以下だった)。PCでデータ通信を使うなら、バンコク市内で3GのプリペイドSIMカードを入手したほうが快適に活用できるだろう。
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