通話もおサイフも使える、DTCP-IP対応でツウ好みなサイズ感──「MEDIAS TAB N-06D」の買いどころをチェックもうすぐICS化も、ということで(2/4 ページ)

» 2012年07月25日 11時00分 公開
[坪山博貴(撮影:矢野渉),ITmedia]
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高速起動、軽快動作、意外に長時間動作

 続いてAndroidタブレットとしての素性をチェックしよう。

 OSはAndroid 2.3であり、タブレット向けのAndroid 3.x系ではない。また、昨今はAndroid 4.x系でないのは物足りなさを感じるが、まず、3.x系はOSとして通話機能を持たないという課題がある。また、おサイフケータイなどに関してはセキュリティ面の都合で、OSそのものとのすり合わせも必要で、本機の発売時点(2012年4月)においてはAndroid 4.0の採用は時期尚早だったのだろう。

photophoto ホーム画面はほどよくプレーンな仕様。7型ワイドという画面サイズ相応にアイコンが6列表示になっているのが目立つ程度だ

 本機に限らず、7型クラスのタブレットは縦位置でも片手で保持できるサイズであり、移動中などにスマートフォンに近い感覚で操作することも多いだろう。この点で、Android 2.3でも大きな不便を感じることは少ないと思う。

 ちなみに、2012年7月以降、Android 4.0へバージョンアップするアップデータ提供も予定されている。“えー、だってAndroid 2.3でしょ”という人は、このバージョンアップを機会に再度導入を検討してみてはいかがだろう。

photophoto ドロワーも5列×7段と画面サイズ相応。ウィジェットの一覧も準備されている

 フィーチャーフォン的機能も盛りこんだスマートフォン目線で見ると、完全な電源オフからの起動時間が気になるところ。発売時期にもよるが、黎明期・シングルコア世代のスマートフォンは起動に3分近くもかかるモデルがあり、ここがいわゆる国産スマートフォンの大きな不満の1つだった。

 その点本機は、電源オンから40秒ほどでロック画面が表示される。これは、体感としてもかなり速い。筆者が所持する海外メーカー製のプレーン使用なAndroidスマートフォン(デル「StreakPro」)の起動も40秒ほどなので、いわゆる国内独特の機能も積んでいながら、それはほとんど影響していないと言える。もっとも、Androidタブレットで完全な電源オン/オフを行う頻度はあまりないのだが、本機に触れて最初に好印象を持ったのが、この「意外に高速な起動時間」だったのだ。

photophoto ブラウジングも、よくあるAndroidスマートフォンと比べると視認性を十分に確保した上でPCにぐっと近い情報量が得られる。最近の高機能スマートフォンと本機のディスプレイ解像度は大きく変わらないのだが、やはり7型ワイドと大きな画面サイズであるメリットは大きい

 もちろん通常動作もきわめて軽快だ。デュアルコアCPU搭載端末らしくタッチやスライドといったホーム画面の基本操作もキビキビで、ブラウザのレンダリングも高速だ。NECカシオのAndroiod機は基本的にホーム画面やドロワーはほぼOS標準のもの使用する点もよい方向に働いているだろうし、そもそもAndroidのホーム画面などは好みに応じて載せ替えてしまえば済む話である。一応、アプリなどでの置き換えが難しい通知領域には各種機能をワンタッチでオン/オフできるショートカットを多く配置しており、使い勝手への配慮も忘れていない。

photophoto ホーム画面のメニューもほぼAndroid 2.3のスタンダード。通知領域には、最上段にさまざまな設定を切り替えられるソフトウェアトグルスイッチが準備され、アプリ利用中でも簡単に機能のオン/オフなどができる
photophoto Quadrant Professional Editionで計測したベンチマークテストの結果(2回計測)

 続いてデータ通信系の機能をチェックする。

 Xi(LTE)対応機器として気になるのは、バッテリー動作時間だろう。既存のXi対応機器(ルータ機器も含む)は、Xi対応エリアでのバッテリー消費量の多さが目立ったうえ、XiエリアではXiを無効にできない(3Gでの利用に明示的に切り替えられない)仕様であるためだ。

 本機は3.7ボルト/3610mAhとする、スマートフォン比で約2倍の容量のバッテリーを内蔵している。さらに、Xi対応エリアにおいても、Gmaillなどの同期をオンにした状態のスタンバイ中においてもバッテリー消費量が少ない印象だ。バックグラウンドでひんぱんに通信するアプリでも動作していない限り、(普段使いにおいて)1時間にバッテリーメーター表示読みで1%ぶんも消費しない。これはかなり優秀だ。

 実利用の参考値として、屋内蛍光灯下でバックライトの明るさ設定を“自動”に設定した状態で、NOTTV視聴中のバッテリー消費量が1時間で約15%ぶん消費、Xi接続でのYouTubeのストリーミング再生時では同じく約24%ぶん消費、無線LAN接続+DiXiMサーバアプリを利用して、Blu-rayレコーダーの録画番組(MPEG-4 AVC/H.264)をDLNA再生すると同約14%ぶん消費した。もっともバッテリー消費量の多かったXi接続でのストリーミング動画再生中においても、単純計算で4時間強は再生が可能ということになる。

 もちろん相応にバッテリーは消費するので使い方次第なのだが、スタンバイ中の消費電力の低さを考慮すれば、通勤中の動画再生、移動中のWeb・Webサービス(地図サイトなど)利用、休憩時間のテレビ視聴などを適当に利用する、1日の活動時間ぶんはまるごと使える実力は持っているといえる。

photophotophoto バッテリー動作への配慮として独自の「ecoモード」を備える。自動的にecoモードへ移行するまでの残量設定も可能だ。「Battery Mix」アプリで監視したある日のバッテリー残量の推移。端から端でほぼ2日分だが、30%ぶんしかバッテリーを消費していない。自宅では無線LAN接続でデータ通信を利用し(ただし3G/Xiも有効な状態)、特に意識せずに不定期にWebサイト表示Webサービスアプリ(Twitterなど)の利用、地図アプリ、適当なアプリのダウンロードなどを行ったが、特に未使用時(スタンバイ時)のバッテリー消費が少ない

 一方、気になったのは下部にある3つの基本操作ボタンだ。こちらはタッチセンサー式で操作時や周囲が暗い場合のみボタンのアイコンLTDが点灯する仕組みだが、適度に明るい屋内の照明下ではイルミネーションが点灯しないので、位置が分かりにくい。

 もちろんわざわざ物理キーを望むものではなく、節電効果と防水であることに加えてAndroid 4.0へのバージョンアップなども考慮(タッチセンサーキー自体を無効化可能とするため)しているのかもしれないが、点灯のしきい値設定やディスプレイ連動などといった設定項目がほしいと思う。

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