海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「香港の公衆無線LANサービス」編「Wi-Fiも割安」な海外定額データ通信(1/3 ページ)

» 2012年08月23日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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香港では、プリペイドSIMカードでより高速な公衆無線LANサービスも使える

photo One2Freeのブランドで事業展開する「CSL」(ほかに1010もある)。USBモデムとプリペイドSIMのセットは、特にPCを使う海外渡航者におすすめだ

 世界でも最も自由に携帯電話やプリペイドSIMカードを購入できる場所、それが香港だ。

 香港の通信事情は、2010年12月に「CSLのプリペイドSIMカードとUSBモデムの購入方法」をお伝えした。それから約2年が経った2012年8月現在は、通信速度が7.2Mpbsに一本化され、料金もやや改定された。同社のプリペイドSIMカードによるデータ通信料金は、8香港ドル/時間(日本円換算で約82円、2012年8月現在)、同じく28香港ドル/日(同約287円)、78香港ドル/週・7日(同約800円)となっている。

 USBモデムとプリペイドSIMカードセットパックは、ほかに「3」のロゴで知られるHutchisonとSmarToneの2社も販売しているのだが、店頭に在庫がないことが多いようで、主にPCでの利用でUSBモデムを購入したい場合はCSLのセットを探すのが確実である。

 また、香港ではすべての通信事業者が現地ユーザー向けにLTEサービスもはじめている。ただし、プリペイドサービスはまだない。3Gより高速・快適なデータ通信環境を海外渡航者がプリペイドで利用できるようになるまでは、もう少し待たねばならないようだ。ちなみに現地ユーザー向けの契約回線においては、すでに各社間で料金引き下げ競争も始まっている。このへんもかんがみ、安価な料金のプリペイドLTEサービスが展開されるのも近いだろうと思う。

 ところで香港のプリペイドSIMカードサービスは、公衆無線LANサービスも利用できることをご存じだろうか。喫茶店などでストリーミング動画を視聴したり、大容量のファイルを送受信する時などは、より高速で安定したモバイル通信環境がほしい。そこで公衆無線LANサービスである。

 というわけで今回は、香港での公衆無線LANの利用を含めたおいしいプリペイドSIMカードの使い方を紹介する。

 まずは3GでのプリペイドSIMカードの基本から。香港各通信事業者のプリペイドSIMカードサービスは4社が提供するプリペイドSIMカードがHSDPAのデータ通信に対応しており、別途SIMロックフリーのUSBモデムやポータブルルータ、スマートフォンなどを持っていれば、ほぼそのまま利用できる。USBモデムのセットも3社がほぼ同機能のものを提供しており、前述の通りCSLのものがお勧めだ。なお、中国移動香港のデータ通信速度は最大128kbpsとなるEDGEのため、PCでの利用はやや厳しいと思われる。

香港プリペイドSIMサービス データ通信 通信規格 データ定額 公衆無線LANサービス
CSL ○(3GのSIM) HSDPA 要申請 △(他社利用)
Hutchison (3) ○(3GのSIM) HSDPA 自動定額
SmarTone HSDPA 自動定額 なし
PCCW Mobile ○(3GのSIM) HSDPA なし PC利用不可
中国移動香港 EDGE 要申請
(※2012年8月現在)

photophoto 競争の激しい香港では複数の事業者の店舗が横並びしている場合も多い。PCCWは自ら公衆無線LANサービスも提供しているが、プリペイドSIMのチャージ額と連携した利用はできない

 香港では主に2社が公衆無線LANサービスを展開する。1社は携帯電話サービスも提供しているPCCW、もう1社は公衆無線LANサービス専業のY5Zoneだ。このY5Zoneは、PCCW以外の4社、すなわちCSL、Hutchison、SmarTone、中国移動香港にもいわゆるローミングとしてサービスを開放している(ただし、各事業者向けに別々のSSIDで利用する仕組み)。香港市内の喫茶店などに「Y5Zone」の案内があればこの4社の利用者も公衆無線LANサービスを利用できる。

photophoto 香港の街中にあったスターバックスコーヒー。PCCWとY5Zone、両社の公衆無線LANサービスが利用できますよというシールが張ってある
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