NTTドコモが、10月2日に開幕するIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC」の出展概要について説明会を開催した。
NTTドコモは例年、CEATECにブースを構えてモバイル関連の新技術や研究成果を披露している。2012年は「R&D」「Smartphone×Home electronics」「New Models」の3コーナー構成でブースを展開。人々の生活をより便利にする新技術やサービスを、体験型のデモやプレゼンテーションを通じて紹介する。
説明会では、CEATECの公開にさきがけて、5つの技術や新サービスを披露した。
つり革や荷物で片手がふさがっていても、視線の動きでタブレットを操作できる――。こんな端末操作を可能にするのが、アイトラッキング技術を使った「i beam」だ。
タブレット端末の下部に、カメラと赤外線照射装置を搭載したアイトラッキング用のデバイスを接続。赤外線を照射して瞳の動きを追い、その動きをカメラでとらえて端末に伝えることで、視線の動きで操作を行えるようにしている。
視線の動かし方には個人差があるため、初回利用時には端末の四隅と中央に現れる丸を目で追う形でキャリブレーションを行う。それが済むと、視線を動かすだけで電子書籍のページをめくったり、フォトギャラリーの写真を見たり、Webブラウザをスクロールしたりといった操作が可能になる。
電子書籍のページめくりは、左右の隅にあるアイコンを見つめることで行え、Webページのスクロールも画面上の矢印に視線を移すだけですむ。実際に試してみたところスムーズに操作でき、操作の精度は高いようだった。
課題はアイトラッキング用のデバイスが大きいことだが、すでにタブレット端末なら一体化できるめどがたっていると説明員。さらにデバイスが小型化されれば、違和感なく使えるようになるとみている。
スマートフォンの画面サイズが大型化する中、「操作がしづらくなった」という声も挙がっている。こんな課題の解決を目指して開発されたのが、端末を握って操作する「Grip UI」だ。
端末の両側面と裏面のカメラ周辺に、圧力を検知する触覚センサーを272個搭載。自分が握りやすい場所と強さを設定し、そこに端末の機能を割り当てられるというものだ。例えば端末の画面が大きくなると、「戻るキーに指が届かない」といったことが起こる場合もあるが、握る動作に戻るキーの機能を割り当てておけば、指が届かなくても楽に操作できるというわけだ。
PCでいうところのキーコンビネーションのような操作にも対応する。説明員によれば、端末を握りながらフリックする操作にWebブラウザの「進む」「戻る」を割り当てれば、Webブラウジングが快適になるという。
操作には多少の慣れが必要だが、タッチパネル操作のほかに操作の選択肢があるのは心強い。「タッチパネルの操作に+αで便利な操作体系を提供することで、もっとスマートフォンを使いやすくしていきたい」(説明員)
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