Googleの「Google Glass」が注目を集める中、ドコモもメガネ型ウェアラブル端末の開発に着手しており、CEATECでコンセプトモデルを披露する。
ドコモ端末の特徴は、フレームの左右に各3個の超広角カメラ、後方に背景撮影用カメラを搭載している点。広角カメラが装着者の目の周辺の表情を、後方のカメラが装着者がいる場所の背景をとらえ、これらのデータを合成することで、手にカメラを持つことなく自身の映像を送信できるという。CEATECのブースでは、この端末を使ったハンズフリービデオフォンのデモを行う予定だ。
端末には、体温や血圧などの生体情報を取得するためのセンサーも搭載しており、医療用途での利用も想定。仮想オフィスやARショッピングなどでも使えるとしている。
iコンシェルのひつじの執事くんがリアルなロボットに――。こんなイメージを想定して開発されたのが「しゃべってロボ」。ひつじの執事くんは端末待受画面に常駐し、ユーザーが知りたいことを声で伝えると、それに対する回答を調べて教えてくれるコンシェルジュサービス。これが現実世界にロボットとして飛び出したイメージだ。
「家に帰って『明日の予定は?』とロボットに聞くと、クラウド上のスケジュールを参照し、予定に加えて天気や外出先の近くにあるレストランなどを教えてくれる。その中の必要な情報を『欲しい』といえば、スマートフォンに情報を転送することもできる」(説明員)
ドコモは今後、ドコモクラウドに蓄積される利用者データを活用したレコメンドサービスを提供する計画で、より精度の高いおすすめ情報の発信を目指している。情報を伝えるための新たな手段として、ロボット活用の可能性を追求する考えだ。
スマートフォンをカーナビとして使えるようにする「ドライブネット」には、新たに2つの機能が搭載される。
1つはコンシューマー向けのサービスで、行きたい場所をカーナビに向かって話すと、今いる場所や目的地などの情報を解析して最適な提案をする機能だ。一般的なカーナビでは、住所やランドマークを正確に伝える必要があるが、ドライブネットでは「ディズニーに行きたい」とあいまいな言葉で話しかけた場合でも、現在地などの情報から話した人の意図を分析し、ドライバーに最適な場所を提案する。これは、ドコモのコンシェルジュサービスに使われている、しゃべってコンシェルエンジンを採用することで実現したという。
もう1つは企業向けのサービスで、企業がドライバーの位置や運行状態をリアルタイムに確認できるもの。ドライバーはドライブネットの画面上から簡単な操作で運行状況を通知でき、ドライバーの状態は、管理画面上にほぼリアルタイムで反映される。管理者はドライバーの居場所や状態に応じて業務の指示を出すことができる。「ルートも管理者側から設定済みのものを送信できるので、ドライバーはルート検索などの手間をかけずに目的地に向かえる」(説明員)
こうした自動車の動態管理サービスは、すでにさまざまな企業が提供しているが、ドライブネットはカーナビ専用端末を導入する必要がない点や、比較的安価な価格で利用できる点が強みになるという。
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