Alliance for Wireless Power(以下、A4WP)は、5月28日にワイヤレスジャパンの会場内で行っているワイヤレステクノロジーパークで小型機器向けワイヤレス給電技術「Rezence」の概要を紹介する講演を行った。
A4WPは、コンシューマー向けにRezenceブランドを立ち上げることで、ユーザーがワイヤレス給電規格の相互検証について確認することができるようにしているが、それに加えて、策定しているワイヤレス給電規格として、現在スマートフォンや携帯電話をカバーするBSS Ver.1.2を2013年に確定した。
現在は、次の1.3を策定しており、これは、タブレットとノートPCをカバーすることになっている。A4WPでは、この接続を検証する認証実験をすでに行っているが、60社以上が参加して、10種類以上の充電器と10種類以上のレシーバーデザインをチェックしている。BSS Ver.1.3の策定作業スケジュールでは、2014年8月15日に最終規格を確定する予定だ。
2013年に策定したBSS Ver.1.2では、機器間の設置位置関係は自由で、Bluetootho接続による機器制御、1台の充電器に複数のデバイスを給電できるところまでカバーした。供給電力は10〜16ワットで、レシーバ側の充電電力は3.5〜6.5ワット。対象はスマートフォンとしていた。
2014年に策定する予定のBSS Ver.1.3では、供給電力は10〜50ワットまで、レシーバ側の充電電力も3.5〜30ワットまでと増やしており、対象デバイスもタブレットからノートPCまで拡張する。これが、2015年策定予定のBSS Ver.1.4になると、給電電力が1ワット未満から50ワットまで、充電電力も1ワット未満から30ワットまでと小電力充電に対応するようになる。対応機器は一般的な家電までカバーする。
グラウスキ氏は、ワイヤレス給電規格の市場における普及進捗について、2015年から本格的な普及が始まると述べている。2015年から2017年にかけて前年比で2倍のシェア成長となる見込みで、その後も2020年に向けて市場は拡大していくという。
また、A4WPが進めている磁界共振方式によるワイヤレス給電が大電力に対応できる次世代の技術として現在普及している電磁誘導方式から移行してくるだろうと主張している。ただし、対応デバイスのほとんどは現在と同じ、スマートフォンとタブレットになるという。
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