グラウスキ氏は、A4WPが策定するワイヤレス給電規格のBSS(Baseline System Specification)概要も説明している。ここでグラウスキ氏が強調したのは、A4WPがBSSで策定するのは、磁界共振方式で使うPower Receiver Unit(PRU)とPower Transmitter Unit(PTU)のコイル部分となるレゾネータの仕様であることだ。PTUは充電器側にあって、PRUはレシーバとなる充電する端末側になる。BSSの規格は、PTUやPRUそれぞれのユニット全体の回路については規定するものではないとグラウスキ氏は説明している。
さらに、規定で重要なのがPTUとPRUで磁気共振を起こすための周波数として設定する6.78MHzと、充電器側と充電する端末側を連携して充電に関連した制御を行う無線接続で利用する周波数の2.4GHzと述べている。
現在適用しているBSS Ver.1.2では、スマートフォンを対象をしていて、PRUからの出力電力を3〜6ワットと定めている。また、PRUの出力電力と対象デバイスで7段階のカテゴリーを設定した。BSS Ver.1.2で定まっているのは出力3.5ワット、対象がフューチャーフォンのカテゴリー2と、出力6.5ワット、対象がスマートフォンのカテゴリー3のみだ。タブレットやノートPCを想定したカテゴリー4以上はBSS 1.3で、Bluetoothヘッドセットを想定しているカテゴリー1はBSS 1.4でそれぞれ策定する予定だ。
同様に、PTUでも対応電力と対応できるPRUのカテゴリー、そしてカバーできる台数によって、クラスを設定している。BSS 1.2では、Class 2が対応10ワットでカテゴリー1〜3のレシーバを1台だけ。Class 3が対応16ワットでカテゴリー 1〜3を2台まで、または、カテゴリー4を1台、Class 4が対応25ワットでカテゴリー1〜3を3台まで、または、カテゴリー4を1台となる。ここまでは、BSSVer.1.2まで策定しており、Class 5/6/7はBSS Ver.1.3で、Class 1はBSS Ver.1.4でそれぞれ策定する予定だ。
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