“Lollipop”搭載の「Nexus 6」 Android 5.0ならではの使い方とは?「Nexus 6」ロードテスト 第3回

» 2015年03月13日 18時20分 公開
[井上晃,ITmedia]

 「Nexus 6」のOSには、最新のAndroid 5.0(Lollipop)が搭載されている。Android 5.0ではユーザーインタフェース(UI)のデザインがAndroid 4.xから一新された。「電話」や「設定」など、一部アプリのアイコンが変わっただけでなく、通知パネルやマルチタスク画面なども新しくなった。さらに、通知のカスタマイズや、複数人で利用できる「マルチユーザー機能」など、“スマホ上級者”向けの新要素も盛りだくさんだ。今回はAndroid 5.0と4.4(Nexus 5)を比較した上で、これらの進化ポイントについて検証したい。

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photo 「Androidバージョン」を連打することで表示される隠し画面。5.0の愛称は「Lollipop」(棒付キャンディ)だ

デザイン&通知機能が進化した

 Android 5.0のUIは、新たに「マテリアルデザイン」と呼ばれるデザインを採用した。アプリアイコンやキーボードなどが、フラットに表現され、影やアニメーションによる表現も最低限に抑えられている。また、ホーム画面に設置できるアイコンの数は、Nexus 5が16個だったのに対し、Nexus 6では25個に増えた(これは大画面化が要因だが)。「設定」画面から、Wi-FiやBluetoothのオン/オフボタンが消えている点も目立つ変化だ。履歴キーをタップすると表示されるマルチタスク画面が立体的に表現されたことで、タスク選択時の可視性が高まった点も評価したい。

 また、ホーム画面上部を2本指で下向きにフリックすると、一気に設定パネルが開くようになった。従来は“通知パネルで歯車アイコンをタップする”という2段階操作が必要だったので、それと比べると、Wi-Fiの切り替えなどがスムーズできて快適だ。

photophoto Android 5.0のホーム画面(写真=左)。Android 4.4のホーム画面(写真=右)
photophoto Android 5.0の「設定」画面にはスイッチがない(写真=左)。Android 4.4では「設定」画面でWi-Fiなどの横にオン/オフの切り替えスイッチがあった(写真=右)
photophoto Android 5.0ではマルチタスクが立体的に表現される(写真=左)。Android 4.4では平面的だ(写真=右)
photophoto Android 5.0では、通知パネルの下に通知の一斉削除ボタンが位置(写真=左)。Android 4.4では通知パネルの上部に一斉削除ボタンが配置される(写真=右)
photophoto Android 5.0では、通知パネルでさらに下にフリックすると、設定パネルが表示される。またはホーム画面での2本指フリックで一気に開く(写真=左)。Android 4.4では通知パネルで歯車のアイコンをタップすると設定パネルが開く(写真=右)

通知の優先順位を変更できる

 Android 5.0では、各種通知の有無も簡単にカスタマイズ可能だ。通知を長押しすると、通知の右側に歯車や「i」のアイコンが表示される。この「i」をタップすると、各通知の設定画面が開き、「ブロック」、「優先度」、「プライベート」の3つのスイッチが表示される。例えば、ブロックをオンにすると、アプリからの通知を非表示にできる。逆に、優先的に通知させたい場合には、「優先度」をオンにすればよい。

photophoto Android 5.0で通知を長押しすると、右側に歯車と「i」のアイコンが表示される(写真=左)。「i」をタップすると通知のカスタマイズが可能(写真=右)

顔や位置情報で簡単にロック解除できる

 セキュリティの新機能としては「Smart Lock」が搭載された。これは、信頼できる“デバイス”や“位置情報”、“ユーザーの顔”を登録しておくと、条件が満たされた時に自動で画面ロックが解除される機能だ。今回はその中でも汎用性の高そうな顔認証によるロック解除機能を試してみた。

photo 「Smart Lock」の設定画面。顔認証のほか、位置やウェアラブルデバイスを利用したロック解除も設定できる
photophoto 認証中の画面に顔は表示されない。その変わり、下部に人型のアイコンが表示される(写真=左)。認証が完了すると、開錠したカギのアイコンに変わる。また、ここをタップすると、手動で解除するまで開かないロックを掛けられる(写真=右)

 まずは、「設定」→「セキュリティ」で通常の「画面のロック」を設定しておき、その後「Smart Lock」で「トラステッドフェイス」を選択する。画面表示に従ってセットアップすれば、自動でロックを解除できるようになる。実はAndroid 4.4でも同様の顔認証機能があったが、画面にインカメラで撮影した顔が表示されてしまうので、使い勝手が悪かった。Android 5.0では、端末に顔が表示されないので、例えば電車の中などでも気兼ねなく利用できる。ただし、顔の登録を繰り返し行わないと、上手く認証できないことが多かった。素早いロック解除を実現するには、画面の角度や、端末までの距離、撮影時の明るさなどを変えて、顔の登録を何度も行う必要があった。

重要人物以外からの着信を無視できる

 着信通知の細かい設定も可能だ。音量ボタンを押すと画面上部に調整用のバーが表示されるが、Android 5.0では、このバーの下に設定項目が表示される。デフォルトでは「すべて」になっているが、「なし」を選択するとサイレントモードになる。また、「重要」を選択した場合は、着信通知の内容をカスタマイズできる。

photo 音量バーの下に、3種類の着信通知設定がある。デフォルトは「すべて」だ

 例えば、リマインダーとメッセージでは音を鳴らし、着信のみをサイレントに設定できる。あるいは、指定した重要人物からの着信のみ音を鳴らすことも可能だ。また、制限時間も設定できるので、会議中の1時間のみサイレントモードにするなど、状況に応じて使い分けられる。

photo 「なし」をタップすると、サイレントモードになる。適用時間を設定できる
photophoto 「重要」をタップすると、許可した内容だけが通知される。設定する際は、右上の歯車アイコンをタップする(写真=左)。詳細を設定する画面。着信を鳴らす相手や、曜日などを細かく決められる(写真=右)

「マルチユーザー機能」を使ってみた

 サブアカウントを登録できる「マルチユーザー」機能を使えば、Nexus 6を複数のユーザーで使える。ユーザーごとに設定をカスタマイズでき、別のアカウントにログインすると、端末の設定が丸ごと切り替わる仕組みだ。実はAndroid 4.4でも採用されていたが、タブレットでのみ提供されていた。

 “ユーザーを切り替えて使う”と聞くと、どの程度のデータが共有されるのか心配になるだろう。試してみたところ、ダウンロードしたアプリや、撮影した写真データなどは全く共有されていなかった。また、各アカウントがそれぞれ画面ロックを設定できるので、複数人で共有してもセキュリティはバッチリだ。なお、サブアカウントでの通話やSMSについては、オーナーアカウントで許可しないと使えない仕組みになっている。共有せず、1人で使う場合でも、プライベートとビジネスシーンで登録するウィジェットやアプリを使い分けるなど、応用が効きそうだ。

photophoto 設定パネルで右上の人型アイコンをタップすると、ユーザーの切り替え画面が表示される。新規ユーザーを追加する場合は、「ユーザーを追加」をタップする(写真=左)。使い分けられるアカウントは「ゲスト」を含めて最大5個まで(写真=右)
photophoto オーナーアカウントのカスタマイズしたホーム画面(写真=左)。アカウント切り替え中の画面(写真=右)
photo サブアカウントのホーム画面。アプリや画像ファイルなどもオーナーとは共有していない

 Android 5.0では、設定パネルの表示方法など、従来使いづらかったポイントが改善し、普段使いでの便利さが増している。また、新搭載の機能は、通知やアカウントなどの「カスタマイズ」に重きを置いており、活用次第で応用が効く。ちょっとしたコツを掴んで、これらの機能をフル活用すれば、Nexus 6の魅力は何倍にも増幅するに違いない。

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