最後に東京都内のアイティメディア社内(会議室)で、9月29日の午後(12時30分〜12時58分)に測定した。天候は曇りだったが、青空も見えて穏やか。ランチタイムということもあって、周辺のコンビニやコーヒーショップなどの飲食店には列が並んでいる。公園や広場のベンチもほどよく埋まっており、いかにも都心のオフィス街のランチ風景がそこかしこに見られた。
というわけでネットワークも完全に混雑した時間帯となり、下りの通信速度は軒並み落ちている。そんなときに強いのはやはり本家ドコモのmopera U。下り平均25Mbpsは、MVNOと比べても別格の成績だ。
ほかに10Mbps以上を達成できたのはFREETEL SIMとWonderlink(LTE Fシリーズ)。Wonderlinkの2枚はどちらも理論上の最高速度は同じだが、今回は下りで10Mbps以上の差が付いている。
一方、ワーストを見ると、NifMoが下り平均0.09Mbpsであり、1Mbpsどころか0.1Mbpsまで切ってしまった。ほかに0Mbps台は6サービス、1Mbps台は4サービスと、MVNO勢には苦しい結果が並んだ。
ただし上りの通信速度は10Mbps以上も多く、アップロードを行うサービスにはありがたい。SNSに記事や画像を投稿するのなら快適そうだ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 12:30 | 0.78 | 9.44 |
OCNモバイルONE | 12:30 | 0.46 | 6.47 |
BIGLOBE LTE・3G | 12:33 | 0.97 | 10.26 |
b-mobile(おかわりSIM) | 12:33 | 1 | 13.86 |
楽天モバイル | 12:40 | 0.46 | 7.57 |
So-net モバイルLTE | 12:40 | 0.63 | 12.1 |
NifMo | 12:44 | 0.09 | 7.13 |
ぷららモバイルLTE(7GBプラン) | 12:44 | 0.4 | 12.03 |
ワイヤレスゲート | 12:47 | 3.6 | 3.83 |
FREETEL SIM | 12:47 | 12.56 | 9.24 |
DMM mobile | 12:51 | 1.01 | 8.28 |
U-mobile(LTE使い放題) | 12:51 | 1.57 | 5.25 |
Wonderlink(LTE I) | 12:55 | 1.07 | 7.7 |
Wonderlink(LTE F) | 12:58 | 12.58 | 11.49 |
ドコモ(mopera U) | 12:55 | 25.15 | 3.97 |
このテストは3カ月目となるが、MVNO勢でも安定して高速なサービスと、なかなか通信速度が上がらないサービスが見えてきた。
ただ、今回は少し時間帯をずらしたことで、たちまちトップに躍り出たBIGLOBEのように、このテスト結果はあくまで「テストを実施した時間帯と場所での成績」に過ぎない。時間や場所をずらすと大きく違う結果も予想される。
9月の測定結果から、各サービスの傾向をまとめると、以下のようになる。
今回は、FREETEL SIMとWonderlink(LTE Fシリーズ)の強さが目立った。FREETELは7月にリニューアルしてからさまざまな拡充を続けておりユーザー数も増え続けている印象を受けるが、Wonderlinkはまだ知名度が低いゆえにユーザー数も少なく、ネットワークに余裕があることが勝因なのかもしれない。
ほかに好結果が目立ったのはBIGLOBE LTE・3G、b-mobile、DMM mobile。いずれも横浜では良好な成績で知名度が高く、このあたりは人気もあるので安心できそうだが、そう皆が思ってユーザーが増えたらどうなるか……難しいところだ。
そしてこの3カ月のテストで、1つ不思議な個性を発揮しつつあるのがワイヤレスゲート。7〜8月に続き、9月も下り3Mbps前後で安定している。混雑時間帯だろうが、ネットワークに余裕がある時間帯だろうが、常に3Mbps前後で安定しており、面白い存在だ。また、有名どころのサービスで、いくつかは高速通信とはいえない結果が続き、「伸び悩み」と表記した。
9月は新iPhoneである「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」が発売されたこともあり、10月の契約数や通信速度にも影響が出てくるかもしれない。
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、ほかのさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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