「Twitterだから出会えた」 ツイ婚カップルが語る運命の引き寄せ方ネット時代の恋愛事情(後編)(2/2 ページ)

» 2015年12月20日 06時00分 公開
[西山武志ITmedia]
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「ネットで出会った」と言えないジレンマ

ひげちゃん 今は両家の顔合わせも終えて、1カ月ほど前から同棲もスタートしました。今まではお互い家が離れて週末しか会えなかったのが、家に帰ったら毎日会えるんですよ。一緒に住んでたら当たり前のことなんですけど、それが当たり前になったことに感動してます。

―― 親御さんに「Twitterで出会った」ということは報告していますか。

未衣子 親には言ってないです。たまたま大学が同じだったので「大学で出会った先輩」だと紹介しています。Twitterだからというより“インターネットでの出会い”について、あまりいい印象を持っていない人はまだ多いと思います。本当は親に話して「それって運命だねー!」って一緒に盛り上がれたらいいんですけど、同じテンションで喜びは分かち合えなさそうな気がするんですよね。本当のことを話して余計な不安を抱かせるなら、ウソをつかない範囲で隠しておいてもいいんじゃないかなって思ってます。

ひげちゃん 僕も親や会社の人には「Twitterで出会った」ということは言っていないです。“インターネットでの出会い”というだけで物騒に思われる可能性もあるし、ましてや出会った翌日から付き合い始めたなんて言ったら、変な心配をされるんじゃないかって。友人でも出会いの事実を伝えているのは3人ほどです。僕はいいんですけど、彼女が変な目で見られたら嫌なので、自分から積極的になれ初めについて話すことはありませんね。

Twitterだからこそ、出会えた

ひげちゃんさん 「Twitterだから強くひかれ合った」と話すひげちゃんさん

―― Twitterで結ばれたお二人にこそお聞きしたいのですが、Twitterから始まる恋愛の良さって、どんなところにあると思いますか。

未衣子 相手を内面から知れることですかね。人にもよりますが、Twitter上では容姿や社会的地位などの情報がカットされていることが多いです。その人の言葉や思考に触れるところから相手との関係性が始まるので、それが自分には合っていたのだと思います。

ひげちゃん Twitterでは、その人の本音や着飾っていない価値観がにじみ出てくるんですよね。もし彼女との初対面がリアルだったら、今と同じように運命を感じられていなかったかもしれないです。Twitter社と、最初に彼女のツイートをリツイートしてくれた友人には、本当に感謝してもしきれません。

―― お二人のような“Twitter上でのすてきな出会い”に対し、ほのかに期待を寄せるユーザーは多いと思います。そんな方々に、経験者としてアドバイスできることはありますか。

未衣子 難しいですけど……やっぱり、まったく素性のわからない人と見境なく会うのは危ないと思います。発言内容をしばらく追ってみたり、共通の友人がいたり、そういった小さな信用が積み重なって「この人なら大丈夫そう」と思えたら、勇気を出してアプローチしてみるといいのかな

ひげちゃん 気になる子がいて、気になる発言をしていたら、まずはふぁぼる(=「いいね」をつける)ことからスタート。ただ、手当たり次第ふぁぼるのは逆効果だと思います。あくまで、自分が心から「いい! 面白い!」と感じたものだけにする。「どのツイートに共感したのか」も、相手の価値観を知る重要な基準になります。僕も下ネタばかりツイートしていたとき、たまにする真面目なツイートを良く彼女にふぁぼってもらえていて、それはとてもうれしかったんですよね。

未衣子 Twitterはシャイで奥手な人間が一歩を踏み出しやすいSNSだなと思うんです。ふぁぼによる無言のコミュニケーションが成立するから。あとは、女性だと自分からアプローチするのってハードルが高いと思うので、気になる相手の詳しそうな話題で“教えてツイート”をするなど、相手がリプライを飛ばしやすい余地をツイートに残すといいかもしれません。

ひげちゃん 僕みたいに恋愛経験の少ない男性だと、なかなか口実がないと知らない女性にリプライを飛ばすのって難しいと思います。趣味や気になっていること、例えば今日見たテレビのことなど、何かしら共通の関心事が見えてくるとコミュニケーションが生まれやすいですよね。それと、運命を引き寄せたいのならば、時には自分の善人的な面ばかりでなく、しょうもない部分やドロドロとした感情も隠さずに小出しにしていくといいでしょう。彼女は、下ネタばかりツイートしていたすさんだ僕の心も、まるっと受け入れてくれた。そこに僕は、すごく安心感を覚えていたんです。

未衣子 お互いの内面にある変なところを受け入れ合えてたから、会っても違和感がなかったんだよね、きっと。

ひげちゃん 僕らはTwitter上だったからこそ、強くひかれ合った二人だと感じています。一概に安全だとは言い切れませんが、自分なりのリテラシーを持ってコミュニケーションを大切にしていれば、Twitter上ですてきな出会いが訪れる可能性は、誰にでもあるはずだと思います。

 Twitterでは日々数えきれないほどの言葉が行き交う。ツイートはTL上を川のように流れていき、瞬く間に消えていく。もしそこで気になる言葉を見つけたら、まずはツイートをお気に入りするなり、その相手をフォローするなりしてみてはどうだろうか。ちょっとしたきっかけが、この2人のような思わぬ出会いを引き寄せてくれるかもしれない。

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