新旧勢力のせめぎ合いで盛り上がった2015年の海外スマートフォン市場ITmediaスタッフが選ぶ、2015年の“注目端末&トピック”(ライター山根編)(1/2 ページ)

» 2015年12月21日 17時43分 公開
[山根康宏ITmedia]

 2015年はスマートフォンの世界シェアに大きな動きが起きた1年だった。圧倒的強さを誇った韓Samsungのシェアが下がり、米Appleが勢いを増そうかというところに新興勢力が割り込み着々と販売数を伸ばし始めた。また一時は独自のポジションで存在感があったあのメーカーが、2015年になって復権の兆しを見せている。グローバル市場で大きく目立った3つのモデルを選んでみた。

フラッグシップモデル化したSamsungの「GALAXY Note 5」

 Samsungのマーケットシェアは一時期に比べれば大きく落ち、2014年後半から2015年半ばにかけて製品ポートフォリオ全体を大幅に見直した。その結果2015年は販売数減の傾向がようやく止まり、今は一進一退の状況が続いている。フラッグシップの「Galaxy S6」は曲面ディスプレイの「S6 edge」とそれを大画面化した「S6 edge+」という3モデルにラインアップを拡張。一方その「S」シリーズよりも強固なブランドを確立しているのが「Galaxy Note」シリーズだ。最新モデル「Galaxy Note 5」は5機種目にしてフラッグシップの座をSシリーズから奪い取ったと言っても過言ではない。

「Galaxy Note 5」 大画面スマートフォンとして完成度が高まったSamsung「Galaxy Note 5」

 「大画面スマートフォンといえばNote」というイメージは、海外、特にアジアで広がっている。iPhoneに5.5型の「Plus」が加わった今でも、新興メーカーの多くが大画面モデルにNoteの名前を付けていることからもそのあたりは見えてくる。Noteシリーズの元祖であり、世界中の大画面スマートフォンのトップに立つモデルともいえるGalaxy Note 5は、質感と使い勝手のどちらも大きく進化している。

 本体は裏面もガラス張りとなり、Galaxy S6シリーズと同等の仕上がりとなった。本体サイズがS6シリーズより大きいだけあって、その質感の高さは十二分に感じることができる。これまでのNoteシリーズは樹脂製のボディに背面を革風の仕上げとしていたが、本物のガラスと金属を組み合わせたNote 5は、ようやく価格に見合うだけの高級モデルになったといえるだろう。

 また本体に収納できる「S Pen」(Sペン)もワンプッシュで取り出しが可能になった。設定によりペンを取り出すと即座に画面上にメモを取ることができるモードも備えた。スリープ状態の黒い画面上にペンで白い手書き文字を書ける様は、まるで黒板にチョークでメモを取るようなちょっとした懐かしさも感じられる。とっさのメモを取りたい時も、この「黒板機能」は非常に便利だ。

 その他にもSペンのボタンをダブルクリックして表示されるアプリのショートカットメニューには、自分の好みのアプリも追加できるようになった。これまでは指定アプリしか利用できず、それらを使わないユーザーには無用の長物ともいえる機能だった。NoteシリーズはSペンを備えてはいるものの、全てのユーザーがペンを使っているわけではない。Sペン周りの改良は、Noteシリーズが大きい画面のスマートフォンであることだけではなく、あらためてSペンの使い勝手の良さをユーザーに知らしめるものになるだろう。

 ただし残念なことに、Galaxy Note 5は日本では発売されていない。通信事業者側の秋冬モデルの販売スケジュールとの兼ね合いもあるのだろう。しかし今や日本もSIMロックフリースマートフォンが続々登場している。名実ともにSamsungのフラッグシップモデルとなったGalaxy Note 5、今からでも日本向けにSIMロックフリーで投入すべきだと筆者は強く思う。

新世代の新興メーカーとして頭角を表した「OnePlus 2」

 2015年は中国勢に代表される新興メーカーのスマートフォンの存在感が大きく高まった1年だった。海外の大手メディアでもそれらメーカーの新製品レビューやリーク情報を日々見かけるようになっている。中でもOnePlus(ワンプラス)の「OnePlus 2」は次世代の新興勢力ともいえ、今後が期待できる製品だ。

「OnePlus 2」 スペックと質感の高さで着々と人気を高めている「OnePlus 2」

 新興勢力の代表格と言えば中Xiaomi(シャオミ:小米科技)を思い浮かべる人も多いだろう。だが2015年のXiaomiは販売数が伸び悩み、これまでとは戦略を大きく変え“価格重視”路線、すなわち低価格品のラインアップを強化した。同じ中国の中堅新興メーカーのOPPOやVivoなどは低価格から高価格品まで製品ラインアップを増やし、アジア市場への進出を進めている。

 一方、少数精鋭の数モデルで勝負を賭ける新たな勢力が中国でも少しずつ人気になっている。オンライン販売に特化するなど、どちらも黎明期のXiaomiと似たような戦略を取っている。だがXiaomiと決定的に違うのは製品のデザインだ。Xiaomiのスマートフォンは良く言えばシンプル、悪く言えばそっけないデザインをしている。それに対しニューウェーブともいえる新たなメーカーたちの製品はパッケージからオシャレで、店頭に並んでいる姿を見るだけで欲しいと思わせてくれる。

 この新たな波を起こしているメーカーは数社あるが、中でもOnePlusは中国やアジアの新興国だけではなく、ヨーロッパの先進国でもオンラインストアを開き世界中で端末を販売している。ちなみにXiaomiは中国以外は香港、台湾、インドそして東南アジアが主な販売先であり、先進国へは参入が難しいこともあってか今のところ目立った動きは起こしていない。

 OnePlusが2014年に発売したOnePlus Oneは世界中から注文が殺到し、一時は入手できないほどの人気モデルとなった。2015年に登場したその後継機、OnePlus 2は高いスペックと質感にも関わらず、比較的低価格なモデルだ。

 OnePlus 2はプロセッサにSnapdragon 810シリーズを採用。メモリは3Gバイトと4Gバイトの2モデルがあり、ストレージ容量は64Gバイト。ディスプレイは5.5型フルHDで、1300万画素カメラを搭載する。これで価格は1999元(約4万円)から。実はこの価格、Xiaomiの歴代のフラッグシップモデルと同じレベルに合わせている。ところがXiaomiは今やフラッグシップモデルも低価格化を進め、カラバリをそろえたカジュアルなルックスにするなど高級感とは逆の路線を走り始めている。

 それに対してOnePlus 2はサンドストーンや木目など高級感ある仕上げのバックカバーを提供。パッケージも正方形のボックスに同社のコーポレートカラーである赤を配置した目を引くデザインだ。また付属のUSBケーブルも赤色の平型ケーブルでコネクタ部分も持ちやすくするなど、オリジナルのものを用意。オンラインで注文し、自宅に届き、運送会社の箱を開いてOnePlusのパッケージを見た瞬間、そしてパッケージを開けてからもワクワクする仕上がりなのだ。

 今やLTE対応で5.5型ディスプレイのスマートフォンも、中国では1000元(約2万円)を切る製品は珍しくない。OnePlus 2はスペックは高いことはもちろん、仕上げを高め、1999元でも売れる製品を送り出したのだ。今後はOnePlusのように、少数精鋭の製品ラインアップで高いブランド力を持ったメーカーが、大手メーカーのすき間を縫いながら一定の販売数を各国で確保していくだろう。日本にも参入を表明しているSmartisanなど、2016年はこれらメーカーの新製品が先進国でも当たり前のように販売されているかもしれない。

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