複雑過ぎるスマホ「実質0円」 問題点をあらためて考える(3/3 ページ)

» 2016年11月03日 06時00分 公開
[井上輝一,ITmedia]
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総務省は実質0円に「値上げ」で対処

 なるほど、確かに実質0円というのはそんなに安くないし複雑で面倒くさい、これで契約したくはない、というのが消費者として当然考えるところ。総務省の「スマートフォンの端末購入補助の適正化」はここを改善してくれるのだろう、と総務省で検討が始まった当時私は期待していたのだが、ふたを開けてみればその指導内容は「割引額を減らして、実質0円を潜らない価格設定にしなさい」という事実上の値上げだった。

 総務省は、「公平性の観点」や「MVNOの新規参入の阻害」を理由に高額な割引をやめなさいとキャリアに要請しているが、一方でこのガイドラインの趣旨である「利用者にとって現在の契約形態の正確な理解が困難」という問題点に対し、現在までに有効なアプローチは見受けられない。

 このガイドラインは、廉価端末や発売から時間がたった端末の在庫処分に関しては値引きを許してはいるものの、基本的な方針として一括0円はもちろん実質0円も認めないものとしている。

 確かに、値上げをすることで実質2万円や実質3万円といった表記に変わり、実質「0円」ではなくなっている。しかし、そもそも「実質」という表記自体をなくさなければこの複雑さは改善されまい。また、「公平性の観点」から長期利用者向けの割引も新設されたが、消費者側からすればこれもまた契約形態がややこしくなったという印象のほうが大きい。

 値段は上がる、複雑さは変わらない(あるいはもっと複雑に)、という現状に不満を持つ消費者は私だけではないだろう。このガイドラインの本来の目的であるはずの「利用者の料金負担の軽減」と、実質0円など正確な理解が困難な契約形態の解決を迅速に実現してほしいと願うばかりだ。

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