複雑過ぎるスマホ「実質0円」 問題点をあらためて考える(2/3 ページ)

» 2016年11月03日 06時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

一括0円でも短期解約で追加違約金が発生する「端末購入サポート」

 真ん中のカラム、「一括0円(端末購入サポートあり)」にも言及しよう。

 端末購入サポートなしの一括0円と見比べると、端末代金は同じく0円だ。しかし、12カ月以内の解約での支払い総額がこの2つは異なる。

 端末購入サポートありの一括0円では、12カ月以内に解約すると契約解除料の他に、端末購入サポートの解除料が上乗せされる。

 これは契約者の短期解約を防ぎたいが、端末代金を安くすることで成約率を上げたいキャリア側の思惑から生まれた割引サービスで、これを利用して最近話題になったのがNTTドコモ2016年冬モデルの「MONO MO-01J」だ。

「MONO MO-01J」 「MONO MO-01J」のブラック

 MONOは販売開始時から機種変更でも一括648円(税込、以下同様)という安さに加え、上質感のあるデザインや最新のミドルレンジ端末と同様のスペックを持ち合わせている。その価格とスペックのアンバランスさから話題になっているAndroidスマートフォンだ。

(関連記事:一括648円の驚安スマホ「MONO」は買いなのか?

 MONOの場合だと、契約時に648円を支払うことで端末の購入は完了する。ただし、648円という額は端末購入サポートに入った場合の割引価格なので、12カ月以内に機種変更するか、回線自体を解約すると、端末購入サポート解除料として1万5876円が発生する。

 端末購入サポートに入らない場合だと端末代金は3万2400円となるため、割引額と解除料をてんびんにかけるとMONOの場合なら端末購入サポートに入るのが賢明な選択だ。

実質0円はそんなに安くない

 繰り返しとなるが、実質0円は

  • 端末代金は分割払い
  • 2年以内の解約でコストが大きい

 一括0円は

  • 端末代金が本当に0円
  • 2年以内の解約時のコストが比較的少ない
  • 端末購入サポートありの場合は12カ月以内の解約で追加の違約金が発生

 と、それぞれ特徴がある。なんとなく契約時に「0円だから」と思って実質0円で契約してしまうと、2年以内にキャリアを乗り換える、あるいは機種変更をするのが難しくなってしまうのだ(途中で機種変更をすると、本来受けられた残りの月々サポートなどの割引が消えてしまう)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  6. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
  7. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  8. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  9. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  10. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年