他社から横やりが入り、NTTドコモが「実質0円」を断念――今後は毎月1円払いの「実質24円」が主流になるか石川温のスマホ業界新聞

» 2016年04月08日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 iPhoneSEの実質価格を巡って、意味のない数並べが始まってしまった。KDDIが実質720円、ソフトバンクが実質432円という値段を発表する中、NTTドコモが3月25日にケータイユーザー向けキャンペーンとして実質0円を発表。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年4月2日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 KDDIとソフトバンクが総務省に配慮して、あえて実質0円を避ける中、NTTドコモが強行突破したことで、業界内がざわついた。しかし、他社から総務省に横やりがはいったようで、総務省としてもNTTドコモを黙認できずに、改善を迫ったようだ。結果、NTTドコモは発表からわずか3日で実質0円を見直すこととなった。

 実質0円がダメで、数百円といった値付けが許されるというのは、そこにどんな違いがあるというのだろうか。

 月々の支払いに換算すれば、KDDIは30円、ソフトバンクは18円だ。総務省が少しでも値段がついていれば許せても「実質0円は撲滅すべき」と躍起になっている意味がわからない。

 しかも、今回はMNPではなく、ガラケーユーザーという長期利用者のための優遇策である。総務省はMNPや機種変更の区別がつかず、とりあえず「実質0円」であれば、何でも取り締まるつもりなのか。

 今回のiPhoneSEの騒動により、今後、実質0円はなくなっても、限りなく「実質1円」に近づくのではないか。毎月、何かしらの支払いを発生させる必要があるならば、毎月の割引額と支払額との差額を1円にすることで、毎月1円の24回払いとして「実質24円」が増えてくるかも知れない。

 こうなってくると、本当に総務省がやりたかった狙いがさっぱりわからなくなってくる。

 確かに過度な競争は是正すべきかも知れないが、端末を売っていく以上、不人気で在庫処分をしなくてはいけないタイミングもあるし、ケータイからの乗り換えを促進する必要もある。今回のように、アップルがとにかく廉価版を狙い、コストパフォーマンスを重視した端末を出してくるとなると、端末価格もそれなりに値引く必要が出てくる。これまでのように、ハイエンドで10万円台という値付けの商品は一段落し、これからはどのメーカーでも、数万円で買える機種が増えてくるものと思われる。それらの機種を売りさばくには、実質24円という値付けが横行する可能性がありそうだ。

 総務省がキャリアににらみを効かせるのは結構だが、本当に意味があり、消費者のためになっているのかをちゃんと検証してもらいたい。実質0円がなくすことは本来の目的ではない。

 今回のガイドラインにより、日本国民にとって、スマートフォンを持ちやすく、使いやすい料金体系に本当になったのか、これまでケータイしか使っていなかった人がスマホデビューし、スマホによって生活が豊かになったのか、既存ユーザーにおける通信料の負担が軽減されたのか、きっちりと監視していく必要があるだろう。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 「楽天モバイルWiFiスポット」を試してみた 屋内通信の不満解消へ期待も「接続性」に課題 (2026年07月26日)
  2. 夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も (2026年07月27日)
  3. 日本通信、ドコモの音声網相互接続で設備工事や接続試験が完了 「ネオキャリア」に前進 (2026年07月27日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. 折りたたみスマホ「OPPO Find N6」を3カ月使って実感した“真価” 仕事とプライベートで大活躍 (2026年07月26日)
  6. UQ mobileとY!mobileの「セット割なし」新割引を比較 ahamo、LINEMO、楽天モバイルよりもお得? (2026年07月27日)
  7. 気温35度以上のハンディファンは「逆効果」 猛暑を安全に乗り切る使い方と2026年おすすめ5選 (2026年07月27日)
  8. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  9. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  10. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー