ソフトバンクは11月30日、都内で「“ワイモバイル” 新商品・新サービス発表会」を開催。同社のY!mobile事業の責任者である寺尾洋幸執行役員が登壇し、Y!mobileブランドの近況報告と共に、新しい商品・サービスを発表した。
この記事では、寺尾氏と報道関係者との質疑応答と、会終了後の囲み取材における主なやりとりをまとめる。
―― 他の事業者(MVNO)がY!mobileの「スマホプラン」と似たプランを出しているが、そのことについて率直にどう思うか。
寺尾氏 このような場でよく説明することではあるが、サービスを新しく作ることが私たち(Y!mobileブランド)のアイデンティティであり、やらなければいけないことだと考えている。
(私たちが提供する料金プランと)似たプランが出てくるということは、私たちの苦労が社会に受け入れられたということであり、非常に歓迎すべきことである。
人は見たら真似をする。だからこそ、私たちはそれ(真似られたサービス)を超えるものを作っていく。
―― ソフトバンク全体として「SoftBank」「Y!mobile」の両ブランドを今後どのようにバランスを取っていこうと考えているか。ソフトバンクのARPU(1契約あたりの平均収入)が下降しているのは、Y!mobileブランドが成長しているからだと思うのだが……。
寺尾氏 非常に難しいテーマではある。弊社の榛葉(淳副社長)も、先日の発表会で「SoftBankとY!mobileを両輪で伸ばしていく」という旨を発言していた。
私たちはY!mobileをしっかり伸ばして、SoftBankブランドを担当するメンバーはSoftBankブランドをしっかり伸ばす。(両ブランドが)切磋琢磨しながら成長していけばいい。
ARPUに関する質問については、私からの回答は控えさせていただく。
―― 以前の「Android One」のラインアップは、もう少しシンプルだったと思う。今回一気に4機種も投入したが、それぞれの機種の位置付けを教えてほしい。
寺尾氏 私たちのラインアップは「iPhone」「Android」「SIMのみ」の3つが主体となっている。
発売以来、Android Oneは好評で、お客様にファッションとしての選択肢の幅を広げるために今回4機種を投入した。Xシリーズでは、ミドルレンジモデルの幅を広げる。Sシリーズは、Android Oneの枠組みで作られている基本的な使い勝手を確保したローエンドモデルとして用意する。
ミドルレンジとローエンドでそれぞれ2メーカーのものを用意したのは、地政学的なリスクを考慮した結果だ。
―― また、以前の会見で「SIMフリー」に力を入れていくという話もあったと思う。その進捗(しんちょく)はどうか。
(筆者注:1月の春商戦向け新製品・新サービス発表会で、寺尾氏はSIMロックフリー端末で利用できるSIMカード単体での契約にも注力する旨を話していた)
寺尾氏 「SIMのみ」は、私たちにとって3本目の柱。世の中に流通しているSIMロックフリー端末とのセット提供も、お客様の支持を得ている。
具体的な数字は申し上げられないが、(Apple Storeで販売している)SIMロックフリーのiPhoneでの利用や、家電量販店で販売されているSIMロックフリーのAndroidスマホとのセット利用が多い。
SIMロックフリースマホを提供するメーカーさんと話をして、ソフトバンクの(モバイル)ネットワークに最適化できるように情報を提供する取り組みも進めている。「私たちの知らない端末」だからといって、対応する周波数帯(Band)が足りないがゆえにお客様に迷惑をかけるわけにはいかない。
―― 子供向けの取り組みの中で「nicola(新潮社のローティーン女子向けの雑誌)」とのコラボに取り組んでいるという話があったが、これは女子向けだと思う。男子に向けた取り組みの予定はないのか。
寺尾氏 男子中学生は趣味や趣向が(女子と比べると)ばらけていて、ターゲットを定めにくく苦労している。
今回披露した「スマホルールリスト」については、家庭内での話し合いに活用できるように男子でも(違和感なく)使えるようにアレンジしたい。
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