“サブブランド攻勢”を強めるKDDIとソフトバンク ドコモも対抗策が必要石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2018年02月10日 08時32分 公開
[石野純也ITmedia]

LINEモバイルを傘下に収め、3つのブランドで攻めるソフトバンク

 Y!mobileが好調なソフトバンクだが、通信事業の営業利益は、第3四半期までで6127億円と、前年の6515億円から低下し、減益となった。ソフトバンクグループの孫正義社長兼CEOによると、この減益は「顧客基盤の拡大への先行投資をこの1年間行ってきた」ためだ。孫氏の言う先行投資とは、ウルトラギガモンスターや端末の半額サポートなどの料金プラン、Yahoo!プレミアムの無料化をはじめとするYahoo!JAPANとの連携強化、SUPER FRIDAYに代表される、ユーザーへの還元の3つを指す。

ソフトバンク 孫氏によると、2017年度は先行投資の時期だという
ソフトバンク
ソフトバンク 料金プランの拡充や顧客還元に力を入れた結果、通信事業の営業利益は減収となった

 結果として、「スマートフォンの純増数は着実に伸び、解約率も低下している」(孫氏)という。ソフトバンクとY!mobileを合算したスマートフォンの純増数は、第3四半期までの累計で113万。スマートフォンの解約率も、2年前の1.3%から大きく低下し、0.84%にまで抑えることができた。先に挙げたauと異なるのは、メインとサブ、両方のブランドで純増できているところ。孫氏は「Y!mobileが伸び、片方(ソフトバンク)は減っていると思う人がいるかもしれないが、事実として両方伸びている」とした。

ソフトバンク
ソフトバンク スマートフォンの純増数は113万に拡大。解約率も低水準になった

 孫氏の公開したグラフは軸がなく、実数や正確な比率までは分からないが、これを見る限り、ソフトバンクは微増、Y!mobileは大幅にユーザーを増やしていることが分かる。メインブランドからの流出を完全に抑えながら、サブブランドでユーザーを獲得しているというわけだ。決算説明会では語られなかったが、低下傾向にあった主要回線のARPU(契約者1人あたりの平均売上高)も、第2四半期で底を打ち、上昇している。メインブランドであるソフトバンクでは、大容量プランを導入してARPUを上げつつ、Y!mobileでユーザーを獲得した成果ともいえそうだ。

ソフトバンク スマートフォンの累計数はソフトバンクが微増で、Y!mobileが大幅に伸びている

 高価格帯のソフトバンクと中価格帯のY!mobile、2つのブランドを使い分けるソフトバンクだが、この成功を踏まえ、サブブランドをさらに強化する構えだ。同社はLINE傘下のLINEモバイルと資本・戦略提携を結び、株式の51%を3月までに取得。Y!mobileで培った端末調達や、マーケティングのノウハウをLINEモバイルに注ぎ込むことで、「3つ目のポジションを(LINEと)一緒に作っていきたい」(ソフトバンク 宮内謙社長兼CEO)という。

ソフトバンク LINEモバイルを傘下に収める予定で、3つ目のブランドとして展開

 LINEモバイルは、MVNOとして、Y!mobileより安価な料金プランを提供している。一方で販路はネットが中心。家電量販店にカウンターを設け、リアルなタッチポイントを増やそうとはしているものの、店舗数は、ソフトバンクやY!mobileといった大手キャリアには遠く及ばない。宮内氏が「LINEモバイルはインターネットでもっと顧客を増やしたい」と語っていたように、料金プランだけでなく、販路でも既存2ブランドとすみ分けていく可能性が高い。

 ユーザー数では他のMVNOに水を開けられていたLINEモバイルだが、Y!mobileを成功させたソフトバンクのノウハウが注入されれば、伸びが加速しそうだ。他のMVNOだけでなく、サブブランドに力を入れるKDDIや、MVNOの多くが回線を借りるドコモにとっても、脅威になるかもしれない。

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